量は質を凌駕する

 ~ アウトドアと読書の日記

早朝からテレビに釘付けになっていた人も多いのではないだろうか。
二度目の挑戦でオリンピック誘致が決まった。おめでとうございます!
そして本当に頑張った招致委員会の皆さん、お疲れ様でした!
今テレビでIOCと共同での記者会見をやってます。

関係者の団結に問題ありと言われた前回から、本当に苦しい時期を団結して乗り越えたことが想像される。
特にI東京都知事は、終盤に舌禍事件を起こしたり、実はひっそりと奥様が亡くなられていたりと、筆舌に尽くし難い苦しみと向き合われたことと思う。今はただお礼を言いたい。

正直いうと、I知事とその前任のI知事は正直二人とも苦手で、オリンピック招致に成功したらこの二人が舞い上がるんだろうなあ、と思っていた。だって、二人とも不必要に偉そうなんだもん。
まあでも、今回の様子を見ていて、これがもし企業なら株価倍増の快挙だよなあ、とか、日本の復興には確実にプラスだよなあ、と思うと、自分も素直にならなければ、という気になった。でもできれば舞い上がらないでねw

我が家の長男は現在4歳。2020年には11歳である。小学5年生である。
おそらくその時クラスでは、オリンピックの話で持ちきりであろう。
そして必ずクラスの中で、オリンピックに行った子と行かなかった子に別れるのだ。
なのでできれば連れて行ってやりたいのが親心である。
その時にどんな立場にいるのか知らないが、あらゆる政治力を駆使して(笑
冗談はさておき、子供にはぜひとも世界最高峰の戦いを直に見せてやりたい。
そこから世界を目指すかもしれないしw

個人的に行ってみたいのは開会式だ。改修なった国立競技場で開かれるらしい。
今思えば、改修前の国立競技場での駅伝に、参加しておいて良かった。
その時私は56歳、妻45歳。
前回の東京オリンピックの事は鮮明に覚えている。録画で(笑
いや、実際その時はもう生まれていたので、自分が生きているうちにもう一度オリンピックが来るとは思っていなかった。
健康であることの目標がまた一つできました。走って、自転車にも乗らなければ。
選手で出れば確実に見られる(笑

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無秩序に広がる都市こそが、人類にとって最も必要なものなのだ!

都市が人類の進歩に果たしてきた役割を分析し、その重要性を明快に指摘する新しい都市論。
著者は、「健康面でも文化面でもインフラの効率面でも環境面でもきわめて優れていて、都市こそは人類最高の発明である」、「都市を高層化・高密化させて発展させることが人類の進歩につながるのであり、その足を引っ張るような現在の各種政策はやめるべきである」と主張する。

都市は人類最高の発明である都市は人類最高の発明である
(2012/09/24)
エドワード・グレイザー

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原題は「Triumph of the CITY. How our great invention makes us richer, smarter, greener, healthier, and happier」(都市の勝利。いかに我々の最高の発明が我々をより豊かに、賢く、環境に優しく、健康で幸せにするのか)。様々な角度から都市という機能の素晴らしさを検証する本である。

内容を要約すると「すべての都市は移動コストや社会資本コストの観点から効率的なので、低所得であっても郊外にいるよりは福利の高い暮らしができるし、産業にとっても労働コストや輸送コストの面で競争力が高い。」というもの。

同時に、産業革命の中心となったマンチェスターや、自動車産業の中心だったデトロイトなどが、特定の産業に極端に依存したために、その産業が衰退することで都市としての魅力を失った例など、都市が機能を発揮するための条件についても触れている。

都市の活力は建物がいかに立派かではなく、そこで活動する人たちの活力や才能に依存する。デトロイトでは、フォードが生産過程の分業化を徹底したため、単純労働を担う労働者が住人の中心となってしまったことも、都市として衰退した一因だったらしい。またアメリカでかつて白人と黒人が分離されて生活していた頃は、黒人がスラムの中で頭角を現すことがしばしば起きていたが、分離が違法とされてからは能力のある黒人が白人居住地に移ってしまい、残された黒人地域が活力を失ったケースがあったようだ。

ただ本書の残念なところは、都市機能の問題だけでなく、貧困者がいかに都市を利用するか、その場合の所得移転の問題に踏み込んでしまったので、都市計画的なアプローチでは不十分となり、ミクロ経済的な都市の住宅価格の問題に触れざるを得ず、焦点がぼやけてしまった点だ。都市自身の機能というよりは、政策全体の問題になってしまい、最後はやや尻切れとんぼであった。☆☆。

本旨と関係ないが、装丁で訳者の名前が著者の名前より大きく印刷されていたのが気になった(笑

荒海を渡り、絶壁をよじ登って、男は女のもとへやってきた。「私がいる。おまえには私がいる!」ただその一言を伝えるために―。絵を描いて、生きてきた。暴力になど縁がない、と思ってきた。生命ひとつ分の弾丸よけにしかならないだろう。だが、決めたのだ。生ある限りおまえを護る。人生の秋を迎えた画家がめぐり逢った、若い女。過去も本名も知らない―何故追われるのかも。だが、女の瞳に真心を見たとき、男の何かが弾けた。海のような愛に包まれて、女の過去が融けてゆく―。再び熱き闘いの幕が開く。ブラディ・ドール・シリーズ、第4弾。

秋霜 (角川文庫)秋霜 (角川文庫)
(1990/10)
北方 謙三

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順番が前後しますが、ブラディドールシリーズ第4弾。主人公は初老の人気画家。若い恋人を護るために体を張るお話。以前も書いたように、北方謙三作品の価値は、設定や筋書きよりも、その場その場での登場人物同士の関係や会話にあります。ちょっと長くなりますが、今回は何箇所か引用してみたいと思います。

まずは画家とバーテン坂井の会話。この日が初対面の翌日であることに注意。

>「川中さんと宇野弁護士は何で対立しているのかね」
>「生きることで」
>「難しい言い方だな」

とっさにこの反応。いつも考えているとしか思えません。確かに難しい言い方です(笑
この文庫本には北方謙三と佐々木譲の対談が付いているのですが、その中で北方は「こんなセリフは実生活ではいえない」と言ってます。ああ、よかった。
続いて宇野弁護士と画家の会話。

>「画家の堕落というのは?」
>「きれいな絵を描いちまうということさ。命というのは汚れていて汚いものだ。(中略)描いても描いてもきれいな絵しかキャンバスに現れてこない。それをまた人がほめる。そういう時の、描き手の焦りがわかるかね。詐欺を働いているような気分だよ」

作家・北方謙三もこういう気持ちになったことがあるのかもしれません。ブラディドールシリーズも3作目辺りは少し中だるみです。作家自身は気づいていないかもしれませんが、何より登場人物に金持ちが増えた(笑
続いて画家が崖を登るシーン。ある意味本作のハイライトです。ここを登ることで画家は自分が男であることを再確認します。

>左足の小さなくぼみ。右へ安定を崩して落ちたので、心持ち左へ重心をかけた。
>手をのばす。頭上の出っ張りに触れる。あと少し、あと少し身体が伸びれば。息を吸った。顔を岩に押し付けた。かすかなくぼみが、右手の指さきにひっかかった。それで、いくらか楽になった。安定を崩す心配が少なくなった。左足をさらに突っ張った。右足は何度も岩を擦っている。渾身の力をふりしぼった。右手が、さらに上にいった。かかった。しっかりと、指さきが出っ張りにかかった。しかし身体はのびきっている。右腕一本だった。肚の底から声が出た。

普通の山岳小説でも、かかった時間の長さなどで状況の厳しさを表現しているのは見かけますが、個別登攀のシーンでここまで手に汗を握るものは少ないと思います。ここでは画家が自分の限界まで体力をふりしぼったことが読み手に伝わるかどうかがポイントなわけですが、さすがは北方謙三。登場人物に体を使わせることで心情を表現させたら、右に出るものはなかなかいないですね。

ただ本作には、北方謙三にしては珍しく笑えるポイントもあります。坂井と画家が宇野弁護士を訪れるシーン。

>ノックをし、返事も聞かずに坂井はドアを開けた。
>「俺が仕事中だってこと、秘書は言わなかったのか?」
>「トイレじゃありませんか。いませんでしたよ」
(中略)
>女の子がコーヒーを2つ運んできた。
>「トイレに行くことを禁止する。」
>女の子に向かって宇野が言った。
>「午前と午後に一回づつ。それ以外は禁止だ」
>「裁判になれば、あたし勝ちます」
>大して動じた様子もなく、女の子が言った。
>「裁判にはしない。馘にするだけさ」
>「それでも、裁判になりますわ」
>「いいとも。俺はライフワークにしてもいい。十年かけて裁判をやってやるぞ」
>女の子が、出ていこうとした。
>「どこへ行く?」
>「トイレです。我慢できなくて」

女の子にまでハードボイルドさせているのはさすが北方謙三w
しかしこうして書き写してみて初めてわかったのですが、ごらんのように北方謙三の文章は一文一文が比較的短い代わりに、読点が多いですね。私なら「裁判になればあたし勝ちます」「それでも裁判になりますわ」と書くところです。読点がないと説明調になってしまうからですかね。

蛇足ですが、対談の中で北方と同世代のある冒険作家Fが、飲み屋で騒いでいる若者を指して「あいつら刀で首を全部切り落としたくなる」と言ったというお話が出てきますが、9割以上の確率でこのFは船戸与一(爆

シリーズものを書いてマンネリを回避する力はさすが多作を持って知られる北方謙三です。☆☆☆。

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