量は質を凌駕する

 ~ アウトドアと読書の日記

国家の危難を救ったのは英国伝統の情報力だった。潜入、破壊、誘惑…その情報戦の全貌が明らかに。

MI6秘録(下): イギリス秘密情報部1909-1949MI6秘録(下): イギリス秘密情報部1909-1949
(2013/03/25)
キース ジェフリー

商品詳細を見る





なにせ英国秘密情報部MI6である。あのジェームズ・ボンドに殺しのライセンスを発行していた、QとかMがいたあのMI6である。しかもその公式記録と銘打たれたら読まずにはいられまい。上下2巻で千ページ以上あるのだがかまうものか。

しかし細かい。とにかく細かい。1909年から1949年でこれである。現代までの正史を作ったらいったい何巻になるのか。上巻は組織の成り立ちについて語られていた(と思う。なんせもう1ヶ月以上前に読んだのでもう覚えていない。というか2日前でもこの量の本を記憶するのはむつかしい)。

で下巻であるが、戦雲たなびく欧州にあって、アフリカ、中東、東ヨーロッパ、北欧、フランス、スペイン、スイスにいつどんな支局員がいて、どんなエージェントを使ってどんな情報を取ってどんな功績があったのか、多分全部書いてある。そして驚くべきはその情報収集力の深さと広さもさることながら、米国OSSの専売特許だと思っていた秘密工作もバンバンやっている。

といっても暗殺とかではなく、諜報のための潜入が主である。圧巻なのはD-day直前、200人の工作員をドイツの前線の後方にパラシュートで送り込んだ話。もうそれだけで、爆撃目標の特定など、200人送り込んだだけの成果は得たそうだ。これまで自分は、コーネリアス・ライアン「史上最大の作戦(The Longest Day)」、パウル・カレル「彼らは来た(Sie kommen!)」、アントニー・ビーバー「ノルマンディ上陸作戦1944」の3冊を読んだのだが、D-day当時連合軍が戦線後方に対しては、前日の深夜に82空挺師団をエアボーンさせた話しか出てこなかった。なんで表に出なかったのだろう。

そんなMI6だが、意外とアジアでは影響力を発揮できてなかったようだ。一方で、中国共産党とはしっかり接点を持っていたというのはおどろき。

とにかく、この時期のMI6の活動をしらみつぶしに書いた、という本です。何かを得られると思ったら疲れるだけなので、辞書を読む気で読みましょう。でもそこかしこに面白いパーツはちりばめられているぞ。☆☆☆

こちらもポチっとお願いします。m(_ _)m
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村

秋分の日の三連休、千葉県勝浦市の勝浦チロリン村オートキャンプ場に行ってきました。いつものように土曜日の午前中はコースケは習い事があるため、それが終わった12時過ぎに自宅を出発。一旦はアクアラインを目指します。しかしカーナビで湾岸線が10km以上渋滞していることが判明。ぐるっと回って京葉道路経由で勝浦をめざします。こういうところが千葉在住の便利なところ(^^)

ここで悩むのが、新たに東金から木更津間に開通した圏央道の使い方だ。アクアライン経由なら迷わず木更津から市原鶴舞で降りて大多喜街道をいけばよい。しかし千葉方面から木更津まで行ってから鶴舞だとかなり遠回りになる。かといって市原で降りて延々大多喜街道だと時間がかかりすぎるし…

で、東金から回ることにした。一応渋滞は全く無くスムースだったのだが、途中で気付いたのだが、大宮でおりて千葉外房有料道路経由で茂原から圏央道という手があったのだ。そのほうが高速代もかからんかった・・・(^^;

(青い線が実際の経路、緑の線が千葉外房有料道路)
東金房総道路

そして市原鶴舞で高速を降りて大多喜街道を一路勝浦方面へ。この日はちょっと出遅れたので、大多喜のバイパス沿いにある「いなげや」で食材を調達します。



チロリン村についたら早速設営! 今回は別途ご報告していますが、新型オープンタープで小川張りをやるのだ。ちょっとテントの向きで悩みましたがコースケも張り切ってお手伝い。




かと思ったらちょっとお休み(笑



ママもノリノリ!!
(四歳児撮影)



とりあえず設営も完了。





定番の枝豆と、いなげやにあったツブ貝のわさびあえ。これが予想外にうまかった!一緒に買った日本酒「大多喜城」とよくあう。






そしてメインはお好み焼き。お手伝いして感心感心。




ランタンに負けない明るい月。




さらに焼き鳥とサンマ。やりたい放題w






その後は、落ちている枝を拾って焚き火です。実は初めて焚き火をしたのですが、これが望外に面白い。以前レポしたように、枝を捌くナタが欲しくなりました。



翌朝、キャンプ場内を散策。多分かつて段々畑だったところをきれいにしてキャンプ場にしてるんだと思いますが、サイトの間に谷状の地形があって、多分そこは湿気がすごいんだと思います。



こちらがサイト全景図。左半分が芝生サイト。真ん中の釣堀を境に右半分が林間サイトです。
今回我々が使わせてもらったのは118番ですが、ごらんのようにカーブの外側に面していて、変形扇型です。



ご利用案内。就寝時間が決められているところに管理人さんの気配りを感じます。



それからこれは、トイレのドアの内側に貼られていた「管理人からの手紙」。ルールを強制するだけではなくて、なぜルールがあるのか、もっと言えば「どんなふうにキャンプを楽しんで欲しいか」という前向きなメッセージが込められています。ですのでこの文章の中には、利用者へのお願いが一切ありません。



こちらの管理人さんが書かれた文章をいくつか読んで驚いたのですが(というのも僭越ですが)、非常に日本語が上手なのです。(失礼ながら)他のキャンプ場では、利用者に対して一方的にルールを押し付ける掲示物が多いこともありますし、まずその日本語の「てにをは」がでたらめな場合があります。しかし、こちらの掲示物の日本語は極めてまっとう。残念ながら管理人さんご本人とお話しするチャンスが無かったのですが、次に行った時はぜひともお話ししてみたいと思います。


ついでにご参考までにトイレ。これは男性用の洋式ですが、非常に清潔に保たれています。



トイレの入り口にコインランドリーが設置されています。



これは118番から一番近い炊事場。きれいですね。お湯は出ないようです。



あと、キャンプ場内の風景を適宜何枚か。






このあと鴨川シーワールドに行ったのですが、いやー、よかった!!
本当にお勧めです。




後編に続きます(^^


こちらもポチっとお願いしますm(_ _)m
にほんブログ村 アウトドアブログ キャンプへ
にほんブログ村

ソ連とのあいだに生まれた緊張緩和(デタント)の機運は、米国政権内のタカ派の圧力ですぐに消え去った。ソ連崩壊後、単独の覇権を謳歌するアメリカは、世界の警察官を任じるに至った。史上最低と呼ばれた大統領のもと、非人道的な国家を援助し、大量破壊兵器を有してもいない国家に戦争を仕掛けその文明を破壊したアメリカでは、国内経済の瓦解がとどめようもなく進行していた。そしてその覇権にも翳りが見え始める――9・11テロはその象徴だったが、ネオコンの圧力のもと、軍事費は国家予算を圧迫して増大し続ける。未曽有の所得格差に怒りの声を上げ始めたアメリカ国民は、改革の兆しを初の黒人大統領、オバマに認めたが、その希望はすぐに失望に変わった……



オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史: 3 帝国の緩やかな黄昏オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史: 3 帝国の緩やかな黄昏
(2013/06/06)
オリバー・ストーン、ピーター・カズニック 他

商品詳細を見る






アメリカ版自虐史観全3巻、ついに完結!



自虐史観とはちと言い過ぎだが、3巻で1500ページもの量を読みながら、オリバー•ストーンという人が映画や著作を通じて何がしたいのか、考えてみた。

氏の出世作「プラトーン」。反戦映画という評判が高いが、あれは自分は軍隊という社会を描いたものだと思っている。社会なので、勇敢な人や普通の人、卑怯な人などいろんな人がいる、という作品だと思う。

「ウォール街」。最近続編も出たが、あれも投資銀行という社会にいろんな人がいるというお話だ。だからこうすべき、というメッセージはない。

「JFK」。暗殺事件の黒幕を暴いた、というよりは、ウォレン委員会の検討過程に疑問を呈した内容だ。

こうして見てくると、ストーン監督の作品の傾向が見えてくる。方向感を示しているわけではなく、世の中にはこんなおかしなことをしている人がいるよ、というメッセージだ。本書も、そのつもりで読むと腹に落ちてくる。

>レーガンに直に接した人たちは、多くが彼の無知に驚いている。1982年の終わり、ラテンアメリカ諸国訪問から帰国したかれは、記者達に「いろいろ学んだよ…驚いたね。ラテンアメリカがあんなにたくさんの国に分かれているなんて」と言ったという。

レーガン大統領がどんなにアホでも、冷戦を終わらせたという業績には変わりはないと思うのだが、どうしてもストーン監督はこれを言いたいらしい。これ以外にも、いかにカーター大統領がブレジンスキー補佐官に振り回されていたか、とか、戦争が大好きだったブッシュ・ジュニアの閣僚連中は実戦経験の無い奴ばかり、といった話が満載だ。

こういった指摘の仕方は、ある意味あら探しすればいくらでもできるもので、ブッシュジュニアの閣僚たちは確かにチェイニーやウォルフォウィッツはそうかもしれないが、肝心のラムズフェルド御大が海軍のパイロットでバリバリ実戦経験があったことには触れていない。この辺が、私がストーン監督はずるいと思うゆえんである。

そういう細かいところはさておき、このシリーズの1作目、2作目を見て、この本はこれで事実を知る、という本ではなく、オリバー•ストーンという人がアメリカの歴史をどう見ているかという本だ、と言ってきた。そのこころは、この本が一次資料になっている情報はほとんどなく、他の本からも得られるからだ。

しかし本作のカバーしているイラク戦争以降の時代になってくると、他の資料ではお目にかかれない、あるいは一次資料が新しすぎて、私自身がまだ当たれていない情報もあるようだ。その観点では、本書が新鮮に写る場面もある。例えば、そもそも冷戦時の均衡を保っていたのは、相互確証破壊という考え方だ。これは双方が相手を一定の確率で破壊していくわけだから、報復に告ぐ報復でお互いが消耗していく、そんな勝者のいない戦いは無駄なのでどちらもミサイルの発射ボタンは押さない、という考え方だった。

ところが、冷戦が90年に終了してから、ロシアの核戦力はほとんど進化しなかったのに対して、アメリカのミサイルの精度は飛躍的に上がったようだ。この結果、ロシアとアメリカの核戦力はアンバランス化し、いろんな条約の前提条件が崩れてしまった。同時にアメリカは、核による先制攻撃を意図するようになった。つまり相互確証破壊が成り立たず、先に打って相手を撃滅できるアメリカが圧倒的に優位な状況になってしまった。

この状況を回避するには、アメリカが核の撤廃に応じるか核の先制攻撃不使用を宣言するかしかないのだが、現時点ではその兆候は無い。オバマ大統領の核無き世界宣言も、実際にはこういう現実の下に発せられているわけだ。これは自分も認識が甘かった。21世紀初頭というのは実に怖い時代だったんだ。

それからカーター大統領を洗脳してタカ派に変えてしまったと本書で言われているブレジンスキーが、対テロ戦争についてこんなことを言っている。

>冷戦時代にソ連の恐怖を掻き立てるにあたって同様の役割を果たしたブレジンスキーには、どれほどの痛手だったかが理解できたのだ。ブレジンスキーは2007年3月に、いわゆる対テロ戦争は「恐怖の文化」を意図的に作り上げることによって、「アメリカの民主主義、アメリカ人の心、そして世界におけるアメリカの評価にすさまじい悪影響を及ぼしている」と書いた。

>ブレジンスキーが繰り返し明言しているように、テロは戦術であってイデオロギーではないし、戦術を相手に戦争をするなどまったくのナンセンスなのだ。

そうか! テロは戦術であってイデオロギーではない。確かにそうだ。それにテロ類似行為は今や米国がもっとも得意とするところになってしまっている。無人機攻撃などは最たるものだ。完全な自己矛盾である。かといってたとえばイスラムの教え自体を戦争の対象とするのは困難だ。それはそのまま世界を敵に回すことになり、だれもアメリカについてこなくなる。

それから長くなるのでもうこれ以上は引用しないが、オバマ大統領が就任以降いかに国民の期待を裏切ってきたか、なぜ議会対策にあんなに苦労しているのかの分析はかなり秀逸だ。ストーン監督のものを見る眼は、戦争よりも政治を見るのに向いているのかもしれない。実は氏の作品「ニクソン」をかつて見たのだが、俄然また見たくなった。☆☆☆。

こちらもポチっとお願いします。m(_ _)m
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村

↑このページのトップヘ