量は質を凌駕する

 ~ アウトドアと読書の日記

砂糖菓子のように崩れていく―。女はそう形容した。そんな男に魅かれるのだと…。手術に抜群の技量をもちながら、野心に背を向け、場末をさまよう流れの外科医。闇診療に手を染めたのも、港町の抗争に巻き込まれたのも、成り行きで意地を張ったのがきっかけだった。だが、酒場に集う男たちの固い絆が外科医の魂に火を点けた。死ぬために生きてきた男。死んでいった友との黙約。そして、女の激しい情熱につき動かされるようにして、外科医もまた闘いの渦に飛び込んでいく。“ブラディ・ドール”シリーズ、待望の第6弾。


黙約 (角川文庫―ブラディ・ドール)黙約 (角川文庫―ブラディ・ドール)
(1992/03)
北方 謙三

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もうシリーズも6作目。もう一つの挑戦シリーズと違って、こちらの方はまだマンネリにはなっていないのだが、今回は重要なメンバーが世を去る。藤木年男。もとヤクザで、親分・兄弟分を殺したことでずっと命を狙われてきたが、いずれも藤木の前に倒されていった。おそらく藤木は、自分よりも強い刺客が来るのを待っていた節があるが、ここまで生きながらえてしまった。ここで名場面をまたまた引用したい。

>「このライター、坂井にやることになってました。坂井は、これに私の墓碑銘を刻んで使うというんです。つまり、私は死ぬわけですが。墓碑銘は坂井が考えてね。」

もう墓も準備したというわけだ。この墓碑銘については続きがある。

>二杯目を私は空けた。三杯目は頼まなかった。「けだものの体、人間の心」「なんです?」「そのライターには、そういう墓碑銘でも刻むといい」坂井の目が真っ直ぐに私を見つめてきた。

実は本作では、兄弟分のたった一人の生き残りがトラブルを抱えて藤木の前に現れる。その兄弟分はトラブルが片付くまでは藤木に手を出そうとしない。藤木もそのトラブルを解決するために奔走する。坂井はトラブルが片付いた暁には二人が殺しあうことになるのを知っている。一方で敬愛する藤木に死んで欲しくないと強く思っている。だから本書で登場した医師のこのセリフに強く反応する。

>煙草をくわえると、坂井がマッチの火を出してくる。「ライターがいい。それもジッポの火だ。」「ライターは持っておりませんので」「この間は藤木のライターを持ってたじゃないか」坂井の表情は変わらなかった。

墓などないから藤木が死ぬはずはない、ということだ。そんな周囲の心配にも関わらず、男たちは最後の決着をつける。

>「やつは、刺しただけだ。抉りもせず、手、放しやがって」川中も私のそばにしゃがみこんだ。「俺は、抉って、撥ねあげた。浅ましいもんでさ」手の施しようはなかった。「だから抜いたのか。死ぬと分かってて」

ちなみに藤木の最期のセリフは「このドスをあいつに返してやってくれ」である。死ぬと分かって腹から抜いたのではなく、返すためだったというわけだ。6冊目まで読んで、初めて目がうるっとなった。 ☆☆☆☆。

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気が付けば恋ヒル、朝霧ジャンボリーと2連続DNS(自転車用語で心が折れたという意味w)してしまい、季節が秋に移り変わってしまったYoshi-Tです。まあネタも無いのですが、先日書きかけたシュラフのレビューでも。

我が家は今のところ秋のキャンプ計画は以下の通りになっています。

9月21日~23日 勝浦チロリン村
10月12日~14日 印旛沼サンセットヒルズ
10月26日・27日 大野路

チロリン村は鴨川シーワールドに行くのが主目的です。印旛沼は、利根川川畔で枝豆狩りの予定です。去年は日帰りで行ったのですが、この時期の枝豆が一番美味しいですね。夏場とは豆の香りが違います。10月前半と10月後半でも味が変わります。だんだん歯応えが出てくる感じ。

大野路は実は職場の仲間とオヤジキャンプにしようと言っており、日程だけ押さえて場所は仮です。枝豆がまだ残っていれば、これも印旛沼になるかも。あ、枝豆は一畝分を予約しているので、期間中はいつ行ってもいいんです。一畝だと、とても我が家だけでは食べきれないので、ご近所や職場でおすそ分けしまくってます。

どっちにしても、千葉には20箇所以上のキャンプ場があって、夏は暑くて行けませんが、いよいよシーズン到来ということです。

で、場合によっては10月に入ると冬用シュラフの出番になりそうです。
WILD-1のオリジナルシュラフは、コンセプト1~5まであって、数字が大きい方が適応温度が低くなります。コンセプト5はマイナス8度まで対応しています。でもダウンではなく化繊なので、コンセプト5になると相当でかいです。ということで、我が家はコンセプト4にしました。表示上はマイナス5度までいけます。



でも一度ベランダで試して見る必要がありますね。もう少し寒くなったら一度やってみます。

ではまずコンプレッションバッグに入った状態。大きさのイメージはバスケットボールくらい。結構でかいです。まあ封筒型ほどではありませんが。



広げてみます。ちなみにコンセプト4は黒と赤の二色が選べます。我が家は赤と黒一つづつにしました。




ファスナーを開けてみます。肌触りはシャカシャカではなくて、綿のような肌触りなので不快感はありません。




お約束ですので中に入ってみます。




横になります。この方が脚を動かしやすい。最近は妻も面白がって撮ってくれます(笑




首(襟?)のところと顔を出すところを紐で調節できます。特に襟のところは、寒さに直結しそう。我が家では冬は羽毛の肩当てを着て寝ていますので、こういう仕掛けがないときつい。




またシュラフの内側に内ポケットが付いています。財布とか入れるんでしょうね。




さて、撮影が終わったのでコンプレッションバッグに入れてみます。半分くらい入れたところ。



このコンプレッションバッグには縦方向に圧縮ベルトがついているので、このくらい入れば後は楽勝です。



さて、全体的な感想ですが、収納時は結構大きいですね。中に入った感じは悪くありません。
何よりも、今回は2つ買っても諭吉でお釣りが(^^)
ただ肝心の防寒能力はさすがに今は判定できませんので、また試してご報告します。























なんかしまらないので、あれ、言っときます。






コンセプト4、これからよろしくな!



R'sパパさん、すいませーん!


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レスター・バラード。暴力的な性向を持った彼は、家族を失い、家を失い、テネシーの山中で暮らしはじめる。次第に社会とのつながりさえ失われていくなか、彼は凄惨な犯罪に手を染める。ピュリッツァー賞を受賞したアメリカの巨匠が、極限的な孤独と闇を、詩情あふれる端整な筆致で描き上げた傑作。

チャイルド・オブ・ゴッドチャイルド・オブ・ゴッド
(2013/07/10)
コーマック・マッカーシー、Cormac McCarthy 他

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日本では映画「ノーカントリー」の原作者として知られるマッカーシーの初期の作品。読んでいると、ジェフリー・ディーバーの初期作品「監禁」などでの舌触りを思い出させる。ジメジメして暗い不快な場所に得体の知れない昆虫がいて気持ち悪いのだが、座ってじっと見ていると引き込まれるあの感じ。

実話に基づいているらしく事件自体は陰惨なものだが、これが読んでいてもあまりそう感じない。なんだか動物が狩に出かけて獲物を捕ってくるという生態を読んでいる気になってくる。作者の狙いもその辺にある気がする。タイトルは「神の子」だが、獣も同じ神の子ということか。

読点と鍵括弧を一切廃した文体は独特だが、誰かの独り言を聞いている気になってくる。ちょっと引用する。

>バラードは雪のついた木の枝を引きずって闇のなきら家に入ってくるとこの乾いている部分も凍った部分もある枝を小さく折りその折った枝を暖炉に詰めこむ作業に取りかかる。床に置いたランプの炎は風になびき風は暖炉の煙突のなかで呻く。

>それから床に座りライフルを拭き弾薬を膝の上に弾き出してそれらを拭きアクションを拭いてオイルを塗りレシーバーと銃身とマガジンとレバーにオイルを塗りまた弾薬をこめレバーで薬室に弾薬を一発送りこみ撃鉄をおろすとライフルを自分の脇の床に横たえる。

原文も同じように平板な表現がカンマを使わないでandとthat、thoseなどでつないでいるものと想像するが、それを日本語でここまでの仕上がりにしている翻訳者も相当なものである。とおもって検索したら、以前読んだコンラッド「闇の奥」もこの人が翻訳していた。ちなみに「闇の奥」は映画「地獄の黙示録」の原作だと言われている。

一箇所だけ、主人公が人間らしい感情に引き戻されるシーンがある。ここはかなり印象的だ。

>バラードは毒づき続けた。語りかけてくる声は悪魔の声ではなく既に脱ぎ捨てたはずの古い自我の声でありその声は時々正気の名の元に訪れて破滅を招く憤怒の縁から優しく引き戻そうとする手となった。

この一文があることで、本書が単なる動物観察日記となることを引き止めている。☆☆☆☆☆。

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