大森署管内で大物国会議員が失踪した。発見された運転手の遺体、そして謎の脅迫電話。舞台は横須賀へ移り、警視庁と反目する神奈川県警との合同捜査を署長・竜崎伸也が指揮することに。迷走する捜査の行方は―。白熱度沸点の最新長編!

宰領: 隠蔽捜査5宰領: 隠蔽捜査5
(2013/06/28)
今野 敏

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人気シリーズの第5作目。最近テレビでも放映しているせいか、我がblogにも検索ワード「隠蔽捜査 ネタバレ」が数多くヒットするようになった(笑) 今日はドラマの放映日だから新型五徳のフィールドテストレポよりも先に上げる(キッパリ)

前回は外務省と警察庁の縄張り争いがポイントとなったが、今回は警視庁と神奈川県警の確執を軸に物語が展開していく。そしていつもながらに、常に原理原則を重んじ、事件解決のためには争いをいとわない主人公・竜崎。目的のために正論を貫き通す姿は、サラリーマンの目から見て胸がすく想いがする。宰領という言葉は普段あまり耳にしないので調べてみた。

デジタル大辞泉 宰領の用語解説 - [名](スル)1 監督すること。取りしきること。また、 その役。「請負工事を―する」「家事一切を―する」

今回は一警察署長の立場ながら、神奈川県警内に設置された捜査前線本部の副本部長を任された主人公が、さまざまな組織内の軋轢を乗り越えて事件解決に向かう様が描かれている。副本部長といいながら実質的に捜査を全面的に仕切っており、それを以ってこのタイトルが付けられたものと思われる。

もうなんだか水戸黄門を楽しみにする老人みたいな心境である。ワンパターンでもかまわない。読んですっきりすることが大事だ。どんな状況に陥っても、原理原則を貫くことで窮地は脱することができることを示し続けて欲しいもんだ。作者も多分、シリーズを終える切っ掛けを失っているように思えるし(笑)☆☆☆☆。