「サブフォー」「サブスリー」なんて自分には無理…なんて諦める必要はない。本書のメソッドを実践すれば、運動経験のない六本木の元キャバ嬢が、練習を始めてたった9カ月で3時間13分を叩きだし、国際レースへの出場権を獲得したり、40代後半でランニングを始めたオジサンが3時間30分切りを達成したり、2時間台のランナーも続々。人気ランクラを主宰する異端の指導者が、最小のトレーニングで最大限の効果を発揮するメソッドを伝授する。

非常識マラソンメソッド ヘビースモーカーの元キャバ嬢がたった9ヵ月で3時間13分! (ソフトバンク新書)非常識マラソンメソッド ヘビースモーカーの元キャバ嬢がたった9ヵ月で3時間13分! (ソフトバンク新書)
(2010/10/18)
岩本 能史

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今日は凄い雪である。しかも珍しく積もっている。気温も低いので雪質もいい。実は木曜日から咳が止まらず会社を10年ぶりに早退した。健康だけが取り柄なのに~(笑)

昨日は1日動けず、ベッドの中で諸先輩のblogを猟渉していたのだが、今日は雪なので嬉しくなってちょいと外出。ブロガーの悶さんがお台場のシクロクロスレースに出場していて明日は応援に行きたいので、念のため病院へ。ところが病院も悪天候で休み。うろうろしながら帰ってきた。病院が入っているモールの前で大量の中学生が雪合戦♪(写真なし)日本の未来は明るいぞ!



怪しいおとこ(笑)



こちらは元気いっぱい!


昨日からハンドルネームを変えた♪
元々実名がアダ名が付きにくい名前なのだが、ここ数年義理の弟が私のことを「キミ兄」(きみにい)と呼ぶようになって結構気に入っている。しかも親戚内だけの呼び名なので、会社にも知れないし、最初からこれにしておけば良かった… 引き続きご愛顧頂きたい。


さて、タイトルに「非常識」とあるが、そもそも常識ってなんなんだっけ、と考えさせられる内容だ。自分がここ数ヶ月色々考えてやってみたことが、結構書かれていて興味深かった。ランニングを日常的にやっている人ならなるほどと思ってもらえるのではないか。興味のある人にお勧めである。

この本には大いに同意することもあれば目から鱗の内容も盛り沢山である。特に具体的にレースの直前にどんな練習をやったか、どんな食べ物を食べたかなども具体例が満載。サブ3.5やサブスリー達成者のサンプルが数多くいるので、その実例は本当に参考になる。

しかしこの本がなにより素晴らしいところは、こういったノウハウを惜しげもなくこの新書に書き尽くしていることだ。よくあるパターンとして「後はセミナーで」とか、有料のサービスにつなげる手法がある。でもそれって、本を買った人にしてみれば期待はずれもいいところである。それならば本など出さず、セミナーの宣伝活動をしっかりやるべきだ。ということで文句なしの☆☆☆☆☆。


では以下に、大いに同意したこと、目から鱗だったことを個別に書き連ねてみたい。ランニングに関心の無い方は読み飛ばして頂きたい。



「厚底の靴は脚を傷める」

→実際に自分も、ターサージール(180g)をゲルフェザー(235g)に履き替えたら、脹脛(靭帯ではなく脹脛そのもの)の痛みがなくなったことがあったこともあり、厚底であることで衝撃がやわらげられはすると言え、薄底の靴が必ずよいとは言えないと思うのだが、著者の言いたいのは厚底にすることで不要なねじれが脚に加わること。要は厚底靴に頼り過ぎないことが大事ということか。また久々にターサージールでTTやってみるか。



「踵着地は負担が大きい」

→こう書くと「フォアフット着地」に短絡的に行きがちだが、著者は「足の裏全体で着地」、さらには「重心の真上に着地」とも言っている。ここには大いに同意。近年フォアフット着地が流行し「足の裏のどこで着地するか」に注目が集まっているが、大事なのは「重心のどこに足を着くか」であると思う。重心よりも前に着地すると踵が先に着地するし、重心より後ろに着地するとつま先が先に着地する。従って正確には「重心よりも前に着地するとブレーキが掛かる」「重心よりも後ろに着地するとスムーズに走れる」なのだと思う。実際には体が前に進む勢いがあるので重心より少し前に着地すると丁度バランスが取れることになるのだが。

某シューズメーカーのページに載っていたフォアフット着地のイメージ。これが参考になるかと。
newton01.jpg

某高橋尚子の横から見たランニングフォーム。意外とこのアングルからの写真は少ない。着地直前で足の位置はこんな感じ。足の裏全体で地面を捉えて、そこに重心を預けていくイメージが掴めるのでは? 
高橋尚子1

ゆっくり(キロ5分以上)走っているとこの重心と足の関係は判りにくいが、短い距離でいいので思い切って早く(キロ3分台)走ってみると重心より前に着地するのがいかに抵抗を受けるかよくわかる。短距離走者はまさに重心より後ろに着地している。こちらはさるHPからお借りした短距離走者の足の動き。Oがつま先、Hが踵だ。

fig08.jpg



「1軸で走る」

→2軸で走るということは、左右の脚が各々の軌道で旋回するということだと思われる。重心をがどこにあるかを考えると、まっすぐ走るためには左右に体重移動を繰り返す必要がある。
一方で1軸で走るということは、効率的な体重移動も含めて両足を旋回させることであり、左右の脚が限りなく1本の軌道に沿って旋回することだ。2軸の代表である自転車ですら体重移動を微妙に行って1軸運動に近付けている。やってみればわかるが、そのためには骨盤を水平方向に旋回する必要がある。旋回することによって左右の脚の支点が身体の中心線に近づくからだ。


「腕を横に振る」

→これは試してみればすぐに納得できる。腕を縦に振ったときよりも、横に振ったときの方が体の上下動が少なくてすむのだ。上半身の上下動のモーメントが抑えられることで、脚の筋肉への負荷も小さくなり疲労しにくくなるはずだ。


「ランニング後のストレッチを控える」

→ランニングにより筋繊維は傷つくので必要以上の負荷は避けよという趣旨。大切なのは老廃物の溜まった体液を循環させてやることだろう。従ってストレッチではなく、マッサージを推奨するべきだと思われる。そこまで書いてないので誤解されている向きがある。


「本番直前にダウンヒル走」

→これもよくわかるな~。ダウンヒルを走ると推進力は要らない代わりに、着地の衝撃を受け止める必要があるため、大腿四頭筋に負担が掛かる。昔から、坂を下ると膝を痛める、というのはこれのことだ。筋力で支えきれないくらいのダウンヒルをすると脹脛靭帯が炎症を起こす。ただそれは坂道が故ではなく、大腿四頭筋が弱いからだ。だからダウンヒルで四頭筋を鍛えることによって、マラソン後半の膝の痛みやスタミナ切れに対処するというのはとてもリーズナブルに聞こえる。


「30km走は不要」「LSDは不要」

→本書ではポイント練習の軸に「峠走」「15kmビルドアップ走」を挙げている。また何より、ランナーが効率的に総力をアップすることを狙いの一つとしている。この観点からすれば30km走やLSDは「時間が許せば」ということなのだろう。この点は大いに同意。特に週央のポイント練習にビルドアップ走というのは本当に効きそうなので、ぜひとも試してみたい。峠走も大好きなので毎週でもやりたいが、峠まで行く時間が・・・ ここは30km走などのロングになってしまうかも。


試しにビルドアップしてみた。といっても5kmを25分、24分、22分半とやるべきところを、各4kmに短縮して実行。1kmめをウォームアップに当てたので、2~5を5:00、6~9を4:48、10~13を4:30で行かないといけないのだが…



9ラップ目とか、11、13ラップとか、かなり足りなかった┐(´д`)┌



以上