調子に乗って予告どおり第3弾。
練習方法は前回書いたので、今回は「大会中の立て直し方」。
自分でやってもずいぶん効果があった。
惜しみなく出します。全部脱ぎます♪


☆☆

立て直しが求められる局面は大きく二つあると思う。
一つは、大会序盤でどうもスピードが乗らないなあという時。

もう一つは、大会終盤になって頑張って走ってるのにペースが上がらない、
もしくはペースが落ちていく場合。



まず前者だが、そもそも調子が悪いときもあるはずだが、
とはいっても走り始めはだいたいそんなもの。
自分の場合は少なくとも3kmは走らないと判断できない。

5kmも走れば普通は体も温まってきて、呼吸も落ち着いてくる。
それでもペースが想定にまであがってこなければ、
体がうまく脚や腰の上に乗っていないのかもしれない。
ズレたまま走っていることもままある。

強引に脚力でペースアップしたら重心位置が直ることもあるが、
単に着地位置を重心の後ろのほうにするほうが早い。
このとき、ストライドを小さくすると修正がしやすい。

ストライドが大きいときはどうしても膝を前に出しがち。
するとなかなか着地点が後ろに下がってこない。
ストライドを小さくすると自然に着地位置が後ろに下がっていく。
さらに、意識してつんのめる感じにすると、
よりスムーズにペースアップできるはず。

ただ前半の場合は体も元気なので、あまり細かいことを考えなくても
体が勝手に練習の再現をしてくれることが多い。

練習の時も最初の段階で、着地位置とか上半身の角度とか
ピッチとかちょっとづつ調整しながらどれが一番ペースが楽に上がるか、
自分はよく試しながら走っている。

このとき、ガーミンのペース表示が実に役に立つ。
同じしんどさでも、着地位置とか少し変えるだけで簡単にキロ10秒
くらいはペースが変わるのがわかる。

自分はこの工程を「チューニング」と呼んでいる。
ガーミンが無ければトラックでないとできない。
これ、自分が思うガーミン他のGPS時計の最大の恩恵。

☆☆

続いて後半にペースが落ちてきた場合。

そのとき自分はかなりしんどい、と感じている。
しんどい、と思うとどうしても「頑張らなきゃ!」となる。
これが往々にしてストライドを広げることになる。

「頑張ろう!」と思うと、体のどこかの筋肉に負荷を掛けたくなるのだ。
「負荷が掛かる=頑張ってるオレ」(笑)
だからペースが戻るはずだ!と思う。

この場合は負荷はハムだった大腿四頭筋だったりするのだが、
着地衝撃を利用してばねの力で前に進むのではなく、
脚を大きく踏み出して脚力で前に進もうとしてしまうのだ。

しかし最初のうちこそペースアップするのだが、
筋力頼みなのですぐにバテてペースが落ちてくる。
すると脚を前に踏み出してる分、ブレーキが掛かるだけになる。

前回書き忘れたが、ペースが一定以下になると、
フォームが「RUN」から「WALK」に変わってくる。
この二つの違いはなにかというと、自分の理解では
「すぐに止まれるかどうか」。

歩くときは常にブレーキを掛けながら進んでいる。
スロージョグって「WALK」の延長線上にある。
ブレーキを外して「RUN」の状態にしなければならない。
自分はそうでもないが、LSDが否定される理由はこれだろう。
両者は使う筋肉が異なるのだ。



話を戻すと、
しんどいな、ペースが落ちてきたな、と思ったら、
まずやるべきはストライドを狭くすることだと思う。

ストライドを狭くするとスピードが落ちる気がして不安になるかもしれない。
でもその分ピッチも上がるので、同じペースで脚は確実に楽になる。
頭では「楽になる=ペースが落ちる」と感じてしまうので、
どうしても脚を前に大きく踏み出したくなるが、ここは我慢だ。

ここまで読んでいただければお分かりのようにストライドを小さくすると、
重心に対する着地位置を適切な位置に調整する、という効果がある。
すなわち、ブレーキ効果の排除だ。

ストライドを大きくすると、同じ力で走っていても
パーキングブレーキを引きずりながら走るクルマのようになる。
ストライドを縮めることには、パーキングブレーキを外す効果がある。
だから脚が楽になると同時にペースも上がってびっくりすることになる。

くどくど書いてますが、実際にやってみるとびっくりします。
少しでも失速を先延ばしできるので、ぜひ一度お試しを。

普段の練習でも、ビルドアップのときは自分はストライドを小さくする。
同じ力で走ってるつもりなのに不思議なんだが、
スピードもだんだん上がってくる。
金曜日の練習がそれだ。

多分、より速いペースのほうが、より楽に正しいフォームを取れる、
より楽に正しい位置に着地できるからではないか。

☆☆

話を戻すと、
大会終盤にくると、同時にフォームも崩れてきていると思うので
着地位置だけでなくフォームも立て直せるということなし。
崩れやすいのは腰。腰が下がってお尻が引けがち。
背中も猫背に、あごも上がりがち。
すると膝も前に出て、着地で盛大にブレーキを掛けることになる。

こうなると、着地位置が適切でも力が上半身に伝わらなくなり、
ペースが低下する。
頑張ってお尻の位置を高く保とう。背筋を伸ばそう。
腰高なフォームは、実は正しく着地できるフォームだと思う。




でも脚運びやフォームを修正しても、スタミナ切れであることには違いない。
いずれ限界が来ます。その時はどうするか。









































その時は歯を食い縛ろう!
頼りになるのは精神力だけ。
根性で前に進んでください。
ただ、ガタガタに崩れたフォームのままよりは、
フォームを整えたほうが少しでも楽に根性だせること請け合いです。


いかがでしたでしょうか。
体幹を鍛えることの大切さが少しでも伝われば幸いです。
そう、効率的に走るには、着地衝撃を効率的に伝える
ガッチリした体幹が不可欠なんです。
もちろん走れば鍛えられますが、
特に上半身は強化の効果が大きいと思います。


ここまで書いて、上半身のフォームについても書きたいことが
出てきたので、もう一回だけお付き合いを。




にほんブログ村