量は質を凌駕する

 ~ アウトドアと読書の日記

2013年04月

百万ドルの賞金がかけられた数学上の問題「ポアンカレ予想」。今世紀中の解決は無理といわれた難問の証明を成し遂げたロシア人ペレルマンは、しかし賞金を断り勤めていた研究所も辞めて、森へ消えた。なぜか?彼と同時代に旧ソ連の数学エリート教育をうけた著者だからこそ書けた傑作評伝ノンフィクション。

完全なる証明―100万ドルを拒否した天才数学者 (文春文庫)完全なる証明―100万ドルを拒否した天才数学者 (文春文庫)
(2012/04/10)
マーシャ ガッセン

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「完全なる証明」マーシャ・ガッセン




ポアンカレ予想を証明したにも関わらず、ミレニアム賞の100万ドルを辞退したユダヤ系ロシア人ペレルマンのお話。

数学的な説明はほとんどなく、ペレルマンがいかに数学者としての誇りを保ったか、ということに終始しており、特に前半は旧ソ連でのユダヤ人の境遇に説明が割かれていて退屈。

後半の9章から12章だけ読んでも充分面白い。☆☆☆。

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天才を生むのは遺伝か環境か。アインシュタインら天才の調査事例によれば、遺伝子は意外に制御可能であり、環境は意外に制御可能でない! 最新の見解を縦横に援用して神話の嘘を暴く科学読み物

天才を考察する: 「生まれか育ちか」論の嘘と本当天才を考察する: 「生まれか育ちか」論の嘘と本当
(2012/09/21)
デイヴィッド シェンク

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子供の才能は遺伝ではない!だから親の能力がないからといって諦めないで!というのが本書の主張なのだが、結局能力=遺伝×環境とのことなので、遺伝だけで決まるわけではないのだが、遺伝から逃れることもできない。

結局、何が言いたかったんだろう…。 ☆☆。

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秘剣、外に語らず―剣客小説に新境地を開いた名品集“隠し剣”シリーズ八篇。凶々しいばかりに研ぎ澄まされた剣技を秘める主人公たちは、また人としての弱さもあわせ持つ。剣鬼と化し破牢した夫のため捨て身の行動に出る人妻、これに翻弄される男を描く「隠し剣鬼ノ爪」。他に「暗殺剣虎ノ眼」などを収む。

隠し剣孤影抄 (文春文庫)隠し剣孤影抄 (文春文庫)
(2004/06)
藤沢 周平

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隠し剣鬼の爪の原作を含む短編集。秘剣と言っても泥臭く勝つための技もあり、人間臭さがにじみ出る。池波正太郎のニヒリズムとはまた違った角度から人間に光をあてる藤沢流が楽しめる。

私はなかでも、妻が元剣豪の「女人剣さざ波」がお気に入り。
☆☆☆☆。

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この作家のロングセラー“隠し剣”シリーズ第二弾。気難しい読者をこれほど愉しませた時代小説は稀れである。剣の遣い手はさらに多彩に。薄禄の呑んだくれ藩士のくぐもった悲哀を描く「酒乱剣石割り」、醜男にもそれなりの女難ありと語る「女難剣雷切り」など、粋な筆致の中に深い余韻を残す名品九篇を収載。剣客小説の金字塔。

隠し剣秋風抄 (文春文庫)隠し剣秋風抄 (文春文庫)
(2004/06)
藤沢 周平

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武士の一分の原作を含む短編集。不条理感がないので安心して読める。☆☆☆☆。

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世界をつなぐ遺伝子の絆があきらかになった!
「個人個人が、共通のDNAでつながった近い関係であることを理解すれば、
民族差別は偏見、争いや攻撃をなくすことができるだろう」(著者 ブライアン・サイクス)
遺伝子学の泰斗である著者は、五千年前のヒトの化石からDNAを採取することに成功。それをきっかけに母系でのみ受け継がれるミトコンドリアDNAを解読した。
現在欧米人の95%は七人の母に行き着くことが証明されたのである-
人類をつなぐこの共通祖先の存在が明らかになるまでの知の格闘と、七人の母たちが海を越え、大地に踏み込んで世界に広がっていくまでの物語を綴ったノンフィクション。

イヴの七人の娘たち (ヴィレッジブックス N サ 1-1)イヴの七人の娘たち (ヴィレッジブックス N サ 1-1)
(2006/11)
ブライアン・サイクス

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古代人類の化石などからDNAを抽出し、その伝播の足取りを追ったお話。これにより、ヘイエルダールがコンティキ号で証明しようとした、ポリネシア人の起源が南米にあるという説が棄却された。

それ以外の地域でも丹念に発掘物や今の住人のDNAを採集・分析した結果、世界の人々の祖先は七人の母に集約されると結論付けた。推理小説のような本当のお話。科学者同士の論争はスノーボール・アースを彷彿させる。
☆☆☆。

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