量は質を凌駕する

 ~ アウトドアと読書の日記

2013年05月

クリステンセン教授がすべてのビジネスマンに贈る人生のジレンマを乗り越えるための1冊! 本書は『イノベーションのジレンマ』をはじめ、多数の名著を著した技術経営の大家クレイトン・クリステンセンが、これまで自身が教えてきた経営戦略を人生訓に落としこんで語る1冊。2007年に心臓発作、そして2年後にガン(悪性腫瘍)、さらに2010年には脳卒中で倒れたクリステンセン教授。戦略論や経営学の分野では最高峰にある教授が、抗がん剤と戦って髪が抜け落ちた体に鞭打ち、最後の授業で何を伝えたかったのか。本書のもととなった「HOW WILL YOU MEASURE YOUR LIFE?」(HBSに掲載された論文)は、HBS史上最多のダウンロード数を獲得した。 (日本語版より)

How Will You Measure Your Life?How Will You Measure Your Life?
(2012/05/01)
Clayton M. Christensen

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「イノベーションのジレンマ」のクリステンセン教授が、人生のイノベーションについて書きました。原書で読んだのですが、邦題は「イノベーション・オブ・ライフ」。ビジネススクールを卒業するときは前途洋々だった学生たちが、何年もたたないうちに結婚生活を破綻させたり、牢獄に入ったりしている。そうならないために、どうやって人生を組み立てていくのか。

例えば、企業が成長していくためには、よいカルチャーを定着させて成功する行動様式を社員に取らせる必要があるが、家庭においてもカルチャーを定着させることにより、子どもたちにはよい行動様式が備わり、自分で考えて行動するようになる。

企業においては世の中が革新的に変化するときは限界利益を最大化させるだけでなく、総コストを圧縮するような行動の変化が求められるが、人生においても限界的な効用を最大化させていたのでは、長期的な視点から見て必ずしも最適にはならない、などなど企業経営になぞらえて個人の人生設計を語っています。

ただ人生で必要なものはこれですべてかというと、クリステンセン教授が企業活動になぞらえることができたことだけがここに記載されているようにも思えます。そういう意味では、教授が経営学の研究の傍らで産み出した人生訓と捉えたほうがいいでしょう。それでも、随所にクリステンセン教授ならではの鋭い洞察や、教授個人の半生について「おっ」と思うようなエピソードも紹介されていますので、お勧めです。☆☆☆☆。

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あすは天気がよさそうなので、江戸川にトレーニングライド行ってきます。そんなわけで、先週のトレーニングライドで下ハンを握る時間が長かったこともあり、思い切ってステムを上下逆にしました。買った当初はこの状態だったのですが、首と肩の痛みに耐えかね、一ヶ月足らずでこのポジションに変えていたのです。



もうひとつの理由としては、先週お尻がどうもしびれがちだったこと。上半身が起き上がっていてサドルに体重がかかりすぎているようにも思えたのです。ハンドルとサドルの落差は広がりますが、とりあえずこれで明日100kmくらい試してみます。

最近週末に恒例化しつつあるラン。今日は少しコースを変えて8km走りました。どうもヴァームがよさそうなので、顆粒をアマゾンで購入。飲んで走ってみると、確かに調子がいいです。ラップのデータを掲載しますが、尻上がりにペースアップしています。最後は久々のkm4分台!

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勝ち残り生き残るたびに、人の恨みを背負わねばならぬ。それが剣客の宿命なのだ剣術ひとすじに生きる白髪頭の粋な小男・秋山小兵衛と浅黒く巌のように逞しい息子・大治郎の名コンビが、剣に命を賭けて、江戸の悪事を叩き斬る田沼意次の権勢はなやかなりし江戸中期を舞台に剣客父子の縦横の活躍を描く、吉川英治文学賞受賞の好評シリーズ第一作。(第1巻のデータ)

剣客商売 (新潮文庫―剣客商売)剣客商売 (新潮文庫―剣客商売)
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ほぼ1ヶ月前から読み始めたのですが、ようやく16巻全巻読了です!

そもそもが架空の主人公を中心にした時代劇で、毎回毎回いろんなエピソードで展開していくというこの構成は、最近流行の「居眠り磐根」でも見られますが、物語自体がどこにも向かって行かず、ある意味主人公の日常を綴っているだけという意味で画期的ではないでしょうか。「御宿かわせみ」なんかもそうですね。

一度はまると、ほぼ無限にいつまでも気持ちのいい世界に浸っていられる、ということで読書との向き合い方として一つのジャンルと見るべきだと思います。これが主人公が何かの目標に向かっていくという設定だと、少年漫画でよくあるように、敵を倒すたびに新たな敵が登場するという食傷気味の展開になるわけですが・・・。

著者はこの16巻目を書き終えてすぐに亡くなったそうですが、この16巻目の終わり方もちゃんとシリーズが終わるという書き方になっています。これは著者が死期を悟ってこうしたのか、たまたまそうなったのか、あるいは後日編集者が加筆したのか。だれが真相をご存知でしたら教えてください。

なおこの文庫版では全巻常盤新平が解説を書いています。解説自体がネタばれなので必ず後で読んで頂きたいのですが、この解説はなかなかいけてます。「そこを見るのか!」という感じですので、本編と一緒に必ず読まれることをお勧めします。

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栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング
(2012/11/21)
栗村 修

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東京周辺ロードバイクトレーニングコースガイド東京周辺ロードバイクトレーニングコースガイド
(2013/02/22)
山と溪谷社

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たまたま「東京周辺ロードバイクトレーニングコースガイド」を同時に読んだのだが、こちらはまさに関東近郊で自転車が走りやすい道を、ロングライド、スキル&パワーアップ、ヒルクライムといったトレーニングの種類別に紹介している。必ずしもそこに行けなくても、どんなコースがどんなトレーニングに向いているのか、プロの観察眼を拝借できる意味でかなり有用。しかも、ペース走、ストレングス、ヒルクライムリピート、インターバル、ハイケイデンスといった、練習メニューんついても具体的にコラムで説明されているので、この本一冊あればそれなりの練習が重ねられるようになるのではないか。小生も最初図書館で借りて読んだのだが、Amazonでポチって永久保存版としてしまった。☆☆☆☆。

一方の「栗村修~」は宇都宮ブリッツエンの監督が書いたライディングスキルの本。「トレーニング」とあるが、トレーニングメニューは余り出てこず、姿勢、ペダリング、フィッティング、コーナーリング、レースでのペース配分、集団走行、といったライディングスキルに重点が置かれている。無論ライディングフォームやフィッティングは重要だが、すぐにレースに出るのではなく、とりあえず周りの人についていける走力を付けたい人には、むしろ「東京周辺~」の方がおすすめ。でもこぼれ話的、エッセイ的要素は十分楽しめるので☆☆☆。

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英仏を見定めながら勝ち取ったアメリカ独立、日露の国力をかけたポーツマス会議、国際平和組織の産声とパリ講和会議、冷戦時代の終わりの始まり、レイキャヴィク会談…歴史を塗り替えた外交交渉の肉声。

歴史を変えた外交交渉歴史を変えた外交交渉
(2013/03/21)
フレドリック スタントン、村田 晃嗣 他

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主に米国が関わった歴史的な外交交渉七件、アメリカ独立戦争、ルイジアナ購入、ウィーン会議(唯一米国が関わってない)、ベルサイユ講和会議、イスラエル独立戦争、キューバ危機、レイキャビク会談をまとめたもの。

どうも一次資料に当たっていない気配があるので、ノンフィクション・ファンとしてはイマイチ食指が動かないが、例えばレイキャビク会談の米ソ間での役割の整理などは、確かに「歴史を変えた」と呼ぶにふさわしいのかもしれない。

各イベントの位置づけを知るには好著。☆☆☆。


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