残忍な手口で四人の女性を殺害したとして死刑判決を受けたダリアン・クレイから、しがない小説家のハリーに手紙が届く。死刑執行を目前にしたダリアンが事件の全貌を語る本の執筆を依頼してきたのだ。世間を震撼させた殺人鬼の告白本! ベストセラー間違いなし! だが刑務所に面会に赴いたハリーは思いもかけぬ条件を突きつけられる……
『ミステリが読みたい!』をはじめ三大ベストテンの第一位を完全制覇した超話題作
最近キリンの生茶がネズミーキャンペーンをやっているようです。著作権がうるさそうなのでモザイク入れましたが、個人が特定できますね(笑)
NEWSWEEK電子版に今公開中の「風立ちぬ」のストーリーについて、なかなかに面白い評が載っていました。映画の全てを語っているわけではありませんが、登場人物の名前と堀辰雄の作品の関連、そして恐らく宮崎駿がこだわったであろう点について、興味深い説明がされています。曰く、「風立ちぬ」のヒロインは原作では「節子」だが、映画では「菜穂子」になっている。これは同じ堀辰雄の「菜穂子」という小説のヒロインの名前であり、小説では菜穂子は節子よりも自立した女性として描かれているので、宮崎駿はこの菜穂子のイメージを映画に取り込みたかったのだ、と。映画をぱっとみてこんな評が浮かぶようになれば本当に面白いでしょうね。
この冷泉さんという書き手に少し興味が湧いたので検索してみると、少し前のことになりますがオバマ大統領とイチローの対面に関してこんなエッセイも書いています。これは、オバマ大統領にイチローがサインをねだったのではないかという疑惑があり、テレビでの写り方も含めてオバマ氏にイチローが食われていた、というもの。これも日米文化比較的で興味深い内容です。しかし普通の大リーガーならば大統領に対してはどういう態度をとるんでしょうかね?
さて本題。海外ミステリ自体久々なので、目線が狂ってるかもしれないが。
日本で上川達也主演で映画化もされるに至ったこの「二流小説家」。ストーリーはさておき、主人公が作中で時々もらす小説家としての本音みたいなところが結構面白い。主人公は複数のペンネームを使い分けてそれなりにカルトなファンもいるという設定なのだが、その虚構の世界(作中での)と事件の虚構(トリックなので)がかみ合わさって、いかにもB級なテイストを醸し出している。まさに邦題は言いえて妙なのだ。(原題は「Serialist=連続殺人犯) その猥雑な世界に、いかにも怪しそうな登場人物たちが出たり入ったりしてその世界の密度をさらに高めている。作者自身がかなり投影されていると見た。「デビッド・ゴードン」もいかにも適当なペンネームだし。
ストーリー自体はAmazonでも結構酷評されているように、いかにも見え透いたメインストーリーに、敢えてのつけたしストーリーが付加されている。この全体のテイストで気持ちいいと思う人には、まあこれでもいいかという感じのストーリー。純粋にミステリーとして楽しみたい人にはかなり物足りないかも。自分は猥褻・グロテスクな部分も含めてこの600ページ弱のストーリーを楽しませて頂きました。しかし作中作で出てくるバンパイア物小説は、本体ストーリーがフィーチャーされているようにも見えるが、SFの方は?
確かに「このミステリが凄い」で1位になる作品ではないかも。翻訳も良かったのでそれも加味して☆☆☆。
『ミステリが読みたい!』をはじめ三大ベストテンの第一位を完全制覇した超話題作
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 (2013/01/25) デイヴィッド・ゴードン 商品詳細を見る |
最近キリンの生茶がネズミーキャンペーンをやっているようです。著作権がうるさそうなのでモザイク入れましたが、個人が特定できますね(笑)
NEWSWEEK電子版に今公開中の「風立ちぬ」のストーリーについて、なかなかに面白い評が載っていました。映画の全てを語っているわけではありませんが、登場人物の名前と堀辰雄の作品の関連、そして恐らく宮崎駿がこだわったであろう点について、興味深い説明がされています。曰く、「風立ちぬ」のヒロインは原作では「節子」だが、映画では「菜穂子」になっている。これは同じ堀辰雄の「菜穂子」という小説のヒロインの名前であり、小説では菜穂子は節子よりも自立した女性として描かれているので、宮崎駿はこの菜穂子のイメージを映画に取り込みたかったのだ、と。映画をぱっとみてこんな評が浮かぶようになれば本当に面白いでしょうね。
この冷泉さんという書き手に少し興味が湧いたので検索してみると、少し前のことになりますがオバマ大統領とイチローの対面に関してこんなエッセイも書いています。これは、オバマ大統領にイチローがサインをねだったのではないかという疑惑があり、テレビでの写り方も含めてオバマ氏にイチローが食われていた、というもの。これも日米文化比較的で興味深い内容です。しかし普通の大リーガーならば大統領に対してはどういう態度をとるんでしょうかね?
さて本題。海外ミステリ自体久々なので、目線が狂ってるかもしれないが。
日本で上川達也主演で映画化もされるに至ったこの「二流小説家」。ストーリーはさておき、主人公が作中で時々もらす小説家としての本音みたいなところが結構面白い。主人公は複数のペンネームを使い分けてそれなりにカルトなファンもいるという設定なのだが、その虚構の世界(作中での)と事件の虚構(トリックなので)がかみ合わさって、いかにもB級なテイストを醸し出している。まさに邦題は言いえて妙なのだ。(原題は「Serialist=連続殺人犯) その猥雑な世界に、いかにも怪しそうな登場人物たちが出たり入ったりしてその世界の密度をさらに高めている。作者自身がかなり投影されていると見た。「デビッド・ゴードン」もいかにも適当なペンネームだし。
ストーリー自体はAmazonでも結構酷評されているように、いかにも見え透いたメインストーリーに、敢えてのつけたしストーリーが付加されている。この全体のテイストで気持ちいいと思う人には、まあこれでもいいかという感じのストーリー。純粋にミステリーとして楽しみたい人にはかなり物足りないかも。自分は猥褻・グロテスクな部分も含めてこの600ページ弱のストーリーを楽しませて頂きました。しかし作中作で出てくるバンパイア物小説は、本体ストーリーがフィーチャーされているようにも見えるが、SFの方は?
確かに「このミステリが凄い」で1位になる作品ではないかも。翻訳も良かったのでそれも加味して☆☆☆。