ヒューストンの空港近くのホテルのバーで「テキサスで一番人気のウィスキーをください」と言ったら隣に座っていたおじさんに親指を立てられた者です。中指じゃないぞ。ちなみにメーカーズマークな。

南部州に来るのはこれが初めてなんだが、米国歴の長い同行している上司は微妙に言葉が通じなくて困っている。南部訛り、関西弁みたいなものか。いや、人情が厚いところも含めて九州弁かw  ニューヨークとかに比べるとみんな断然愛想が良い。



今日は午前中パナマ運河の見学に行ってきた。まるで中学校の社会見学みたい。ちなみにパナマの位置はここ。実は国は東西に伸びている。よって運河は南北に。
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自分たちが行ったのはパナマシティから車で30分のミラフローレス閘門。上の地図だと下の方。かつてスエズ運河を作ったレセップスが同じように山を開削しようとして失敗し、その代わりに施主がアメリカに変わって閘門により船を27m持ち上げて山を越させる方式にかわったらしい。蹴上インクラインのデカイやつ(嘘)ほら、高いところを船が通ってるでしょ。ちなみに通行料金は5千万円から1億円だって。
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 これは運営権がアメリカからパナマに移り、最近になって完成した新しい水路。従来の幅33mが50mに拡張され輸送力が一気に増したらしい。見ただけで船の大きさが下の写真の船と違うのがわかる。

次は船が持ち上がるシーン。最初こんな感じで。
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これが水面が上昇して船も持ち上がる。スピードはゆっくりだが迫力満点。見ている展望台は人で一杯で、変な手が写ってしまった。
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手前にいるのが電気機関車。水路が狭いのでこれで引っ張る。ちなみに三菱重工製。動画にも撮ってみた。
 
そして船は閘門を抜けてガツン湖へ。
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この閘門が閉じていくところは連続写真。
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このあと、展望台の下にある映画館でパナマの歴史の映画を観た。

それによれば、元々はスペインの植民地だったパナマだがそのあとコロンビアの植民地になり20世紀初頭に独立。しかし運河の運営権をアメリカに握られていたため運河周辺はアメリカ領で、アメリカ軍が駐留していたため以降100年に渡り実質アメリカ領のような状態が続く。外から見ると多分日本もこう見える。

これが今世紀になってアメリカから運河が返還され、実質的な独立を勝ち得る。 もちろん運河収入は未だにGDPの2割近くを占めるというから、心理的にはどうなんだろう。ただパナマの人にとっては運河の返還は歴史的な出来事だったらしい。決まったのはカーター政権のころの出来事だ。

こういう映画を作る事自体パナマ人がアイデンティティの確立に苦しんでいる証左と受け止めた。パナマ運河の存在自体がアメリカの国益にかなっているから安全も保障されているが、隣国ニカラグアに中国が新たな運河を建設する計画もあるらしく、人口400万人、横浜市規模の小国は大国の論理に振り回され続けている。

昨日はパナマには怪しさが足りないと書いたが、実は今日の道すがら貧民街っぽい場所もクルマから見えた。しかし運転手がパナマの人だったので撮影は控えた。そんな母国の場所をわざわざ撮影されて喜ぶ人はいない。今回運河を見学に行ったのも、別に観光目的ではなくまさにビジネスのための社会見学。写真ではなく全体としてどうなっているかを理解すれば十分だ。

しかし現地人の間でも貧富の差や身分の格差は結構あるらしい。苗字を聞けば家柄がわかる場合もあると聞く。まだまだdevelopingな国なのだ。こういう国でのビジネスは難しい。腐敗もそれなりにあるようだ。政権が変われば外交の取り決めも反古にされかねない。

やっぱりなんだかんだ言っても国民の教育レベルと政治の安定性って比例するんだよなぁ。社会科の授業って要するにそれをずっと教えようとしてるんだよな。

今、ヒューストンの金曜午前9時。明日の午後には成田に到着予定。
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