受験勉強で低迷していた読書量が久々に通常ペースに復帰。5千ページ越え。ちなみに去年1年間に読んだ本は187冊と久々に200冊割れ。しばらく休んでなおさら海外翻訳小説への傾倒が深まった。12月はやっぱりローレンスブロックの「殺し屋ケラー」。ちょっと人間性に問題あるような気がしないでもないが、状況に流されて受け身でしかも鮮やかに人を殺していくケラーの魅力に引き付けられる。こんな人生本当にあるんだろうか。


12月の読書メーター

読んだ本の数:13
読んだページ数:5072
ナイス数:114

殺し屋 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)殺し屋 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)感想
殺し屋ケラー、ニューヨーク在住。息をするように人を殺す。そこに何の力みもないのでまるでビジネスマンのものがたりを読んでいるかのようだ。こんなに肩のこらないハードボイルドものは初めてかも。シリーズ読破するぜ。⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎。
読了日:12月07日 著者:ローレンス ブロック

一人だけの軍隊 ランボー (ハヤカワ文庫)一人だけの軍隊 ランボー (ハヤカワ文庫)感想
昔読んだような気になっていたが読んでなかった。これは映画のサバイバル物感が薄れて純粋ハードボイルドになっている。壮絶。☆☆☆。
読了日:12月10日 著者:デイヴィッド・マレル

一発屋芸人列伝一発屋芸人列伝感想
ルイ53世文章が達者だがちょっと自分に振り回されている感も。どの文章も起承転結の「転」が早すぎる。振り向けばHGとテツ&トモしか残ってないじゃないか。☆☆☆。
読了日:12月10日 著者:山田ルイ53世

父の肖像〈上〉 (新潮文庫)父の肖像〈上〉 (新潮文庫)感想
堤清二による堤康二郎伝。というよりは父の姿を描きながら自分のアイデンティティを追いかけた本というべきか。自分のことをかたるとこんなにもどろどろするんだなあという典型みたいな本。堤義明への面当てが醜い。☆☆。
読了日:12月17日 著者:辻井 喬

父の肖像〈下〉 (新潮文庫)父の肖像〈下〉 (新潮文庫)感想
上巻の感想にも書いたが堤一族がいかに歪んでいるかはよくわかる本。父親への愛情に満ち溢れている。悪く書いているようで褒めまくっている。☆☆。
読了日:12月17日 著者:辻井 喬

殺しのリスト (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)殺しのリスト (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)感想
シリーズ第1作からすればずいぶんウェットな感じに仕上がっているが第1作でのドライな感じは持続。これは確かに第1作から読まないと面食らう。今回もケラーは淡々と仕事人ぶりを発揮。☆☆☆。
読了日:12月17日 著者:ローレンス ブロック

殺しのパレード  (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)殺しのパレード (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)感想
今回はなんだか心に残るエピソードが多かった。ケラーは触媒で会ってそれに絡む人間の内面をむき出しにする。お互いに殺し合う女たちの話は、欲深いものに下る天罰を連想させるし、バスケットボールの話は自分の子どもの頃を思い出して胸が痛かった。そして切手コレクターは本当に死んだのか。これが一番の謎だな。なぜかこの編だけは殺しに至るケラーの心の動きの描写が無い。親しくなったこととどう折り合いをつけたのか。いよいよ次は「最後の仕事」。久々の☆☆☆☆☆。
読了日:12月20日 著者:ローレンス・ブロック

挑戦するフォトグラファー挑戦するフォトグラファー感想
やっぱり自転車の世界は奥が深い。まさに文化。日本人がその世界に入って行った物語を読むと、その奥行きがよく分かる。一つの道を究めた人の話は面白い。☆☆☆。
読了日:12月20日 著者:砂田 弓弦

殺し屋 最後の仕事 (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)殺し屋 最後の仕事 (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)感想
巻末の伊坂幸太郎のあとがきがいい。「エンジンを載せるのか」。これまでのケラーシリーズの心地よい脱力感はグライダーのように風に任せて漂うゆえだったと気付いた。しかし結構罪のない人をあやめているのでこれで幸せになっていいのかという気がしないでもない。☆☆☆☆。
読了日:12月24日 著者:ローレンス・ブロック

古事記物語古事記物語感想
ふとしたことで読みたくなったのだが、仁徳天皇とか結構時代が下ったところまで書いているんだな。万葉集とかぶる? 同じような物語が多いので忍耐強く読まないとならない。☆☆☆。
読了日:12月26日 著者:鈴木 三重吉

兄弟の血―熊と踊れII 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)兄弟の血―熊と踊れII 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
「熊と踊れ」の続編だがこちらはフィクション。前作とは異なりレオがより知的になり暴力の匂いが薄くなった気がする。この方がルースルンドのオリジナルっぽい。下巻へ。⭐️⭐️⭐️。
読了日:12月31日 著者:アンデシュ ルースルンド,ステファン トゥンベリ

兄弟の血―熊と踊れII 下 (ハヤカワ・ミステリ文庫)兄弟の血―熊と踊れII 下 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
そっか。この本の副題は「熊と踊れ2」なのか。なるほどレオと父のキャラが被り過ぎ。そして結末はやや破綻気味。父や母が事実に触れるところまで書いた方が良かったんでは。⭐️⭐️⭐️。
読了日:12月31日 著者:アンデシュ ルースルンド,ステファン トゥンベリ

殺し屋ケラーの帰郷 (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)殺し屋ケラーの帰郷 (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)感想
コミカルミステリーとでも呼ぶのか。殺人を生業にする夫婦。馴染む妻も怖い。そこはかとない道徳観を持った殺し屋という設定はそんなに悪くはない。パーフェクトハンターのビクターは熱すぎるが。⭐️⭐️⭐️。
読了日:12月31日 著者:ローレンス・ブロック


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