これが多分平成最後の映画。あとは平成最後のマンション理事会と平成最後の鎌倉侵攻作戦と平成最後の新幹線乗車を残すのみ!いや、たぶん30日に平成最後のクソ(硬め)をする。そしてその直後に令和最初のクソ(硬め)を・・・・


KINGDOMって漫画はかなり人気らしいが映画を見る気はまったく無かった。個人的には最近の日本映画とか日本の小説ってけっこう期待外れになることが多くて。最後に観た邦画は「家族はつらいよ2」だもんね。これは安心して観ることができた。最後に読んだ日本の小説はなんと4か月前の辻井喬「父の肖像」だった。その前はさらに4か月前の浅井鴨「伴走者」。

ちなみにKINGDOMのマンガも読んだことない。しかしなぜその俺がこの映画を観たのか。それは・・











無題





長澤まさみは以前からちょっと苦手な女優だった。かつて倉本聰の「優しい時間」というドラマに出ていて、あの切羽詰まった感じの声が苦手だった。かなり無理して人前に立っている感じがした。

そんな彼女も長い自分探しの旅を終えて、なんだっけ、あのコスプレする映画だかドラマくらいから肩の力が抜けてきた感じがあって、そうなると何よりもこの美貌なのでクールビューティな役をやるとぴったりはまる。

そんな下心で観たわけだが、その長澤まさみは実に良かった。やっぱりこういうコスプレやったら抜群ですね。手足も長いので殺陣が様になる。そして無表情でセリフ少なめで、顔に血しぶきを浴びながらニヤリと笑うんだぜ。楊端和(長澤の役名)のフィギュアがあったら真剣に欲しいわ。5体くらい買うわ。役どころも重要だけど露出過剰じゃないので、もっと観たいと思わせる感じもいい。

日本の俳優、女優って、演技力さえあれば、というか演技力が無ければ俳優ではないという罠にはまっているように見えるよね。長澤まさみがどこまで確信しているのかは分からないけど、見た目を映像に写しこむということもエンターテイメントでは必要だってことをもっと意識したほうが良いと思う。

その点、鈴木亮平みたいに役のためにしっかりカラダを作る人が出てきたというのには希望が持てる。だって演技が上手いのは見た側の勘違いもありうるけど、見た目の良さっていうのはかなり客観的なものでごまかしがきかないから。

特に日本の女優はそういうものを否定してきたよね。身長が高い女優さんってあんまり人気が出ないじゃないですか。長澤まさみがどこまでそういう要素を意識しているのかは分からないけど、人気よりも肉体、見た目、という女優がそろそろ出てきても良いと思う。おんなじ意味で実は自分は菜々緒をインスタでフォローしている。彼女がどこまで行くかはわかんないけどね。







いちおうお断りですが、盟友わたなべきうじは芸術的な目線で映画評論をできますが、自分は所詮ミーハーな目線でしか映画を観てないのでこういう低い目線からしか映画を評することができませんのであしからず。何よりハリウッド好きです。





でも長澤まさみ目当てで観たんだけど、やっぱり大沢たかおが良かった。あのくらいのキャリアになるとあの役をやるのには勇気が要ったと思うけど、彼の存在で映画の空気が異世界の物になっていた。いくら中国でロケしていても、彼無しだったら日本の映画にしか見えなかったと思う。

そうなると他の役者も一気に演技が活きてきて、悪役の王様のボディガード兼殺し屋役を坂口拓って俳優さんが演じているのだが、たぶん彼の役者人生で一番出演時間の長い映画だったんじゃないか。しかし存在感は抜群。何よりも殺陣が凄い。しかもその存在感に対して演出上のリスペクトが払われているので、悪役だけど最後まで安っぽくならない。この脇役感はキャロルにおけるジョニー大倉だな。顔も似ている。

他にも加藤雅也とか石橋蓮司なんていう大ベテランが出演しているのだが、彼らはそんなに作品を引き締めていない。残念ながら上記の2人(大沢と坂口)に完全に存在を消されている。

むしろ長澤まさみとか、ダブル主役といっていい吉沢亮とかが、熱くなり過ぎないクールな演技で実にメリハリが効いて感じる。吉沢亮はいいですね~。この手の役はこれまで松田翔太が独占してきた感じがあるが、吉沢亮の方がより冷酷な感じがある。ちょっと目が離せない感じ。まだ24歳なんだって。整った顔立ちっていうのもフィジカルな役者の要素だよね。

そうすると主役の山崎健人が輝かないわけがない。オレこの人実はずっと苦手だったんだけど、というか苦手な人が多いな。そう言えば松岡茉優もずっと苦手だったんだけど。特にあの声が。最近何かのインタビューでずっと無理してましたみたいな告白があって、ああやっぱりそういうのって声に出るんだって思った。

山崎君ですが、こうやってみると彼が元気よく力いっぱい演技するために、彼以外の人たちがしっかり礎石になっていたって感じでしょうか。でも観た後の感触としては山崎君は彼なりの演技をしていたけれども、それが映画の骨格を作っていたわけではない。一番おいしいところではありましたけどね。



実写の日本映画って最近こんな感じなんですか?少なくともこのKINGDOMについてはもっと評価されていいしもっとたくさんの人に見てもらった方が良いなあと思いました。思いましたねえ。




なんで今日映画を観に行ったかってそもそもの理由を思い出した。長澤まさみじゃなくて。

4月の頭から受験勉強を始めて、勉強は基本的に1冊の参考書を中心にやってるんだけど、660ページあるこの本を昨日で220ページまで進んだ。これなら6月には全部読み終えることができそう。去年はこれが9月の終わりくらいだった。問題集をやる時間が2か月しかなかった。今年は4か月くらいみっちり問題集をやることができる。ここまで1日も休まないで勉強してきたので、今日は3分の1到達を祝してちょっとお休みでした。

日本の映画も悪くない。そんなことをおもった平成最後の映画鑑賞でした。

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