しばらく寝かせていたこのネタで書いてみます。

前も書きましたが人気のある作品から翻訳されるというそもそもの経緯があるので、日本の有象無象(失礼)の作品よりは当たりが多く、読むのも気が楽です。疲労抜きジョグのつもりで読んだら完走できなかった、みたいなことはほとんどない。

もちろんガックリすることもあるので海外だからと言って油断はできません。それを避けるためにはできるだけ読み始めたらストーリーと主人公のキャラクターをカテゴライズする事。マッチョ型なのか頭脳型なのか憑依型なのかカリスマ型なのか。

そうすると過去に読んだ同じカテゴリーのヒーローを思い出して「まあこんなもんだな」と思うとか「お。こいつはなかなか凄いぞ」と思うとか、単に内容にがっかりするだけで終わることはなくなります。



前置きはこれくらいにして、多分だれも興味のないランキング、以前紹介したこちらのブログ、全24シリーズの中から厳選しました。一番大事な選定ポイントはシリーズがちゃんと続いている事、手垢が付き過ぎていない事。この観点でボブ・リー・スワガー(極大射程)、ジェイソン・ボーン(ボーンアイデンティティ)、ジャック・ライアン(レッドオクトーバーを追え)、リンカーン・ライム(ボーンコレクター)が対象外となった。

残った候補をマッチョ型と頭脳型に分けてみた。こうして並べてみると前回のブログではマッチョ型に入れていたヴィクター(パーフェクトハンター)が頭脳型に見えてきて、対抗馬がジョージ・スマイリー(寒い国から帰ってきたスパイ)とハンニバル・レクター(羊たちの沈黙)になった。しかしスマイリーとヴィクターなら腕力のあるヴィクターの方が魅力的だが、レクターの悪に染まった感じ、というよりは悪を生み出す感じも魅力だ。

そこで悪役というカテゴリーを作ってレクターとダドリー・スミス(LAコンフィデンシャル)を比べてみた。シリーズ全作を通じて悪をまき散らしたスミスも良いが、やっぱりレクターは散々手垢も付いているがあの魅力には抗しがたい。

マッチョ型の中ではやはりハリー・ボッシュ(ナイトホークス)がピカイチ。マッチョなのに頭脳型。捜査した内容の細かい矛盾点を手掛かりにして真実を明らかにしていく。読めば読むほどその仕事っぷりにほれ込んでしまう。同じ一匹狼のジョー・ピケット(沈黙の森)もいいのだがアメリカのステレオタイプすぎるのが気になる。

そうするともうベスト3はボッシュとレクターとヴィクターで決まりかと思われるが、その全てをぶち壊すほどの破壊力をもつ混乱型の盟主がいた(笑)



そんなわけで1つ増やして第4位!
ハンニバル・レクター!
羊たちの沈黙 (新潮文庫)
トマス ハリス
新潮社
1989-09



第3位!
ヴィクター!



第2位!
ハリー・ボッシュ!
ナイトホークス〈上〉 (扶桑社ミステリー)
マイクル コナリー
扶桑社
1992-10-01



第1位!
ジャック・フロスト!
夜のフロスト (創元推理文庫)
R・D・ウィングフィールド
東京創元社
2001-06-08



とにかくこのウィングフィールドの腕力、筆力。これだけ混乱したストーリーを全く収束する気配も見せないで最後に突然収束する。これが実に鮮やか。作者のウィングフィールドが数年前に逝去してもう続編が読めないのが実に残念だ。

またハリー・ボッシュは劇中でもすでに70歳近い。たぶん続編の出版は厳しいだろう。レクター博士も作者のトマス・ハリスは80歳。こちらもそもそも寡作なので続編は無いな。

ちなみに第3位のパーフェクトハンターシリーズは早川書房から2作目までしか翻訳されていないが、本国英国では第8作まで出版されている。なんでだ!しょうがないので原書で読むか。


本日の走行距離:13.3km
今月の走行距離:124.3km
本日の最低体重:61.7kg
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