第1次世界大戦は終結に向かい、ロシアでは革命が起き、そして罹患すれば死にいたるスペイン風邪(インフルエンザ)が流行の兆しを見せる1918年。ボストン市警察の若き巡査ダニーは、労働組合を結成しようとする警官たちの急進グループへ潜入捜査を命じられる。同じ頃、遠く離れたオクラホマで殺人を犯してしまった黒人青年ルーサーは、追手を逃れるためボストンへとやってくる。二人の青年の人生が思わぬ形で交錯する時、時代のうねりは発火点を迎える! 「ミステリが読みたい!」海外ベスト・ミステリ(2008)第1位/「このミステリーがすごい! 2008」ベストテン 海外編第3位/「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門第5位
妻のインフルエンザもほぼ治癒したのでようやく通常ペースの生活にもどりつつあるのだが、肝心の自分の体調が微妙だ。微熱ではないのだが、なんとなく咳が残っている感じ。昨日の午後、久々に走ったのだが、復活と呼べるにはもう少し時間がかかりそう。しかしあせってもしょうがないのだ。次の大会は3月16日なのでもう一ヶ月を切っているのだが、ここで風邪をひいたのもめぐり合わせなので。
山梨が積雪でヤバイらしい。交通も途絶し食糧供給が危機に瀕しているという情報もある。キャンプは不便さを楽しむ遊びだが、本当に世の中が不便になると少し後ろめたくもある。行き帰りは自動車だし。こういう状況を見ていると、自分で担げる範囲の道具で野外生活するというスタイルのキャンプの経験も必要ではないかと思ってしまうな。
さて、そんなわけで昨日は4冊も本を読んでしまったのだが、その一冊がこちら。あの「ミスティック・リバー」を書いたルヘインが描く、禁酒法前夜のボストン。以前確かハワード・ジンの本でも読んだが、この頃の米国はロシア革命の影響により激しく不安定化しておりデモやストが頻発、ボストンでも警官のストを発端にした大規模暴動があったらしい。その警官ストのリーダーが本書の3人の主人公のうちの1人。もうひとりは1人は賭博組織内のトラブルで追われる黒人、もう1人が当時レッドソックスからヤンキースに移籍したベーブ・ルースだ。物語は大きな時代のうねりの中、彼らがいかに自分の信念を貫こうとしたかを描いている。
彼らの人生を縦軸にして、横軸に当時の世相、社会主義活動や人種差別、インフルエンザ(スペイン風邪?)の流行などが描かれるのだが、ルヘインの描く登場人物はいずれも情感にあふれ、自分の生きる意味を正面から問う。必ずしも理想は実現できないのだが、そのもがく姿がリアルだ。ただ一方で、人物の善悪がはっきりしすぎているので、分かりやすい物語を求める向きにはお勧めだが、マッカーシーと比べると物足りない気もするな。そこは個人的にはマイナス。でもワクワク感は十分。ミスティック・リバーも読んでみるか♪ インフルエンザ流行の描写が、今の自分の状況に照らしてリアルすぎて怖かった(笑)☆☆☆☆。
運命の日(上)〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 (2012/03/05) デニス・ルヘイン 商品詳細を見る |
妻のインフルエンザもほぼ治癒したのでようやく通常ペースの生活にもどりつつあるのだが、肝心の自分の体調が微妙だ。微熱ではないのだが、なんとなく咳が残っている感じ。昨日の午後、久々に走ったのだが、復活と呼べるにはもう少し時間がかかりそう。しかしあせってもしょうがないのだ。次の大会は3月16日なのでもう一ヶ月を切っているのだが、ここで風邪をひいたのもめぐり合わせなので。
山梨が積雪でヤバイらしい。交通も途絶し食糧供給が危機に瀕しているという情報もある。キャンプは不便さを楽しむ遊びだが、本当に世の中が不便になると少し後ろめたくもある。行き帰りは自動車だし。こういう状況を見ていると、自分で担げる範囲の道具で野外生活するというスタイルのキャンプの経験も必要ではないかと思ってしまうな。
さて、そんなわけで昨日は4冊も本を読んでしまったのだが、その一冊がこちら。あの「ミスティック・リバー」を書いたルヘインが描く、禁酒法前夜のボストン。以前確かハワード・ジンの本でも読んだが、この頃の米国はロシア革命の影響により激しく不安定化しておりデモやストが頻発、ボストンでも警官のストを発端にした大規模暴動があったらしい。その警官ストのリーダーが本書の3人の主人公のうちの1人。もうひとりは1人は賭博組織内のトラブルで追われる黒人、もう1人が当時レッドソックスからヤンキースに移籍したベーブ・ルースだ。物語は大きな時代のうねりの中、彼らがいかに自分の信念を貫こうとしたかを描いている。
彼らの人生を縦軸にして、横軸に当時の世相、社会主義活動や人種差別、インフルエンザ(スペイン風邪?)の流行などが描かれるのだが、ルヘインの描く登場人物はいずれも情感にあふれ、自分の生きる意味を正面から問う。必ずしも理想は実現できないのだが、そのもがく姿がリアルだ。ただ一方で、人物の善悪がはっきりしすぎているので、分かりやすい物語を求める向きにはお勧めだが、マッカーシーと比べると物足りない気もするな。そこは個人的にはマイナス。でもワクワク感は十分。ミスティック・リバーも読んでみるか♪ インフルエンザ流行の描写が、今の自分の状況に照らしてリアルすぎて怖かった(笑)☆☆☆☆。