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彼はなぜ、完全菜食主義者にしてウルトラマラソンの王者に君臨し続けたのか?ベストセラー『BORN TO RUN』に登場し、世界中のランナーを魅了しつづけるランニング界の「生ける伝説」が初めて明かす、食べること、走ること、そして生きること。極限を求め続けたランナーの魂の彷徨、ニューヨークタイムズ・ベストセラー!

EAT&RUNEAT&RUN
(2013/02/21)
スコット・ジュレク、スティーヴ・フリードマン 他

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まだ羽鳥湖のキャンプレポート書けてないし半沢直樹の録画も見てませんが、とにかく読書してます。昨日読了したのは、「BORN TO RUN」にも登場したウルトラマラソンの雄、スコット・ジュレックの半生記。これを読んだらウルトラマラソン完走できそうな気がしてきます。痛みは友達だ!

スコットがウルトラマラソンにのめり込んだのは、ハイスクール時代からスポーツでは勝てないと思ってきた親友に、50マイルレースで勝ってしまったことがきっかけだった。それ以来、家族も仕事もすべてウルトラマラソンのために犠牲に。そして幾つもの有名レースで勝ち、世界最強と言われるようになる。

本人は自分が強くなったのは、何よりも完全菜食主義になったことで疲労回復が早まったためだと考えている。まあでも、肉や魚を食べなくなったことが良かったわけではなくて、菜食主義になることで食べる物に徹底的にこだわるようになったということではないだろうか。人間が元来草食だったわけでもないだろうし。

しかし本書にところどころ挿入してあるコラムは本当に有益だった。
その1:フォアフット、ミッドフットといった足のどこで着地するかも大事だが、それよりも、重心に対してどの辺に着地するかが大事であり、重心の少し前にうまく着地すれば上下運動が効果的に後ろへ蹴り出す力に変わる。
→これは私が昔から狭い範囲で唱えていたランニングエコノミー論。普通は重心よりも前に着きすぎるのでブレーキになるが、後ろにずらせていくと自然にスピードが上がるポイントがある。後ろすぎると四頭筋に負荷が掛かりすぎ疲れる。
その2:ストレッチすべき筋肉の部位は、最低でもハムストリングス、臀部屈筋、大腿四頭筋、腸脛靭帯の四箇所。
→これは具体的。かつ、紐等を使って効果的に伸ばす方法も教えてもらえる。
その3:1ストライド(=2歩)を一分間に何回刻むか。エリートランナーはだいたい90くらい。速く走ろうと思えばストライドを短く、多く刻むこと。
→これもいつも自分で実践していること。かつ、自転車のケイデンスとほぼ同じテンポ。

それにしても。スコットがウルトラマラソンになぜここまで執着するのか、何が彼をここまで駆り立てるのか。ランナーが、自分の記録の進歩を楽しむというのとも違う、ただレースで苦しむことで生きていることを確認しているようにしか思えない。

私はもちろん楽しい程度にしか走りません。趣味だから。壮絶さと有益な情報に☆☆☆。