ダニエルズのランニング・フォーミュラダニエルズのランニング・フォーミュラ
(2012/02)
ジャック ダニエルズ

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さて、ダニエルズの表で有名なこの本、ついに読んでみました。やはり自分で読むといろいろと発見があるものです。VDOTなどよく知られているところは他の方もブログに書かれているので、以下、自分的にこれは!と思ったことを書き連ねてみます。

【負荷は時間で計る】
ダニエルズはとにかく故障をいかにしないようにするか、を意図している。週単位で練習を組み立てると、おそらく7~8割がイージーペースになるだろう。目を引くのはマラソンペースでの走行距離への言及。一回の練習が、90分または26kmのどちらか少ないほう、だそうだ。この制限だと30kmロング走は無理になる。
これ、結構見過ごされているのでは。「マラソンペースで60分走っても、12km走る人もいれば20km走る人もいる。遅い人は着地衝撃も大きいので、負荷は距離ではなく時間で計るべき」という表現もある。後で閾値走にも触れるが、これを超える練習はリハーサル的なレース参加を除きダニエルズでは想定されていない。

【20分を越える閾値走のペース】
閾値走すなわちTペース走はLT値を高める練習で、20分以上やると効果が出るのだが、20分を超えるとTペースにプラスαしていくのだ。VDOT45だと60分の閾値走はTペースプラス14秒/キロ。M値マイナス4秒だ。これは知らなかったぞ。
言い換えれば、60分での上限ペースプラス4秒が、90分走の上限なわけだ。ダニエルズの想定する練習での負荷のイメージがまた変わりました。

【故障に対する考え方】
故障明けの練習量と練習強度の表があったのは驚き。また、走りはじめて2、3年の人とベテランでは、シーズン中に練習強度を上げていくピッチが異なる、という趣旨の記述があるのも初めて知った。巻末に初心者の練習メニューのサンプルがあって、距離の伸ばし方が参考になる。
とにかくダニエルズが意識しているのは効果vs.負荷なのだ。負荷を避けているわけではなく、効果が上がらない負荷には意味がないとしている。冒頭のトレーニングの原則にも「収穫低減」が登場する。この視点からもっとも効率の高いトレーニング構成をダニエルズは文中で示している。Iペースのトレーニングは週の走行距離の8%まで、などだ。








フルマラソンで短期間に自己ベストを次々更新した末に、大きな故障をして、それ以降もずっと大小の故障に悩まされている人を知っている。そういう話を聞くと、マラソンの練習がいかに負荷の高い運動であるか、その高さに対して、いかに指導する体制が整っていないか、情報が不足しているか、ということを痛感する。自分の体に長期間のハードトレーニングに耐える力があるかどうかなんて、ビギナーには分からないのだ。それでも短期間に目標をクリアすると、自分は故障と無縁だなんて勘違いしてしまう。そして完治しないままにまた負荷の高い練習をして故障が悪化することを繰返してしまう。

5kmや10km走るのとは異なり、フルマラソンの練習をするということは他のスポーツに比べても相当にリスクが高いことなのだ。これって何だか中高年登山みたいだ。知識がなくて無理をする。そして深刻な状態に陥る。もちろん故障しても適切に対処してきちんと復活する人もいるのだが。

自分ももともと月に100kmも走っていなかったのだが、ここ半年ほどは200km以上走っている。その大半がイージーペースで、それ以前にそれなりの走歴があるとはいえ、次のレベルを目指すには今の練習水準を少なくとも1年は続けないと、大きな故障のリスクにさらされると思っている。特に加齢による回復の遅さにも考慮する必要がある。

脚に違和感が出たらランオフするという対処方法も慎重に考える必要がある。その場合、ランオフした分を後で取り返していないか。ランオフするなら、その分の月間走行距離の目標を下げないと意味が無いのではないか。


以前も書きましたが、10月の千葉アクアラインマラソンまでは、Mペース走は封印しますよ。これでどこまで効果が出るか、人柱になります(笑)



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