量は質を凌駕する

 ~ アウトドアと読書の日記

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サラリーマンが組織内で昇進するための正攻法を説いた最強のビジネス書。ペプシ工場の清掃夫から国務長官にまで上り詰めた伝説の男が教える「13のルール」。

リーダーを目指す人の心得リーダーを目指す人の心得
(2012/09/29)
コリン・パウエル、トニー・コルツ 他

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アメリカ合衆国の元国務長官コリン・パウエル氏による人生を生き抜く秘訣集。今年の2月に読んだのだが、思い出しながら書きたい。

なにせ邦題がイマイチである。原題は「It worked for me: In Life and Leadership」、直訳すると「人生とリーダーシップで私に役にたったこと」。「心得」などという上から目線なニュアンスは微塵もない。あくまでも参考までにお話しするよ、というスタンスなのだ。そういうことで、まあ題がこうだから本文も相当なものである。Amazonのレビューでもこの翻訳はこき下ろされている。なので、訳文を読みながら原文を想像して読むということになる。

そんな問題作(笑)であるが、内容自体はさすがは貧しいジャマイカ移民の家庭に育ちながら、米軍トップにまで上りつめ、はては国務長官にまでなった苦労の人の話だけあって、ためになること、改めて自省すること満載である。折角なのでColin Powell's 13 Rulesを原文でご紹介しよう。ついでに火中の栗を拾うつもりで、ALC翻訳大賞応募歴のある私の拙訳も(笑

①It ain't as bad as you think. It will look better in the morning.
あなたの印象ほど物事は悪くない。翌朝にはよりよく見えるはずだ。
②Get mad, then get over it.
怒れ、そして乗り越えろ。
③Avoid having your ego so close to your position that when your position falls, your ego goes with it.
地位を失えば消し飛ぶようなエゴを、あなたの地位と混同してはいけない。
④It can be done!
何だってできるはずだ。
⑤Be careful what you choose. You may get it.
選択は細心に。それが自分に回ってくるかもしれないのだから。
⑥Don't let adverse facts stand in the way of a good decision.
良い決断をするときにネガティブな要素に振り回されるな。
⑦You can't make someone else's choices. You shouldn't let someone else make yours.
他人の代わりに判断はできない。その逆もまた同じ。
⑧Check small things.
小事をあらためよ。
⑨Share credit.
信頼は分かち合え。
⑩Remain calm. Be kind.
落ち着いているべし。親切でいるべし。
⑪Have a vision. Be demanding.
ビジョンを持って、貪欲になれ。
⑫Don't take counsel of your fears or naysayers.
おそれや批判に惑わされるな。
⑬Perpetual optimism is a force multiplier.
永続する楽観主義が力を倍増させる。

おそらくそんなに的は外していないと思う。意味は分かるが日本語にするのが難しかったのが③だ。こういったスローガン的なものはあまり長くできないという制約もある。さすがはALC翻訳大賞応募!! ですから、応募しただけです・・・。

どうでしょうか、この⑧なぞはイラクの大量破壊兵器に関するパウエル氏の国連での発言をもろに指しています。本書の中でもこのことについて氏は「何の言い訳もしない。全ては自分の責任だ」と言い切っていますが、行間に悔しさがにじんでますな。「ああ、ドン(ラムズフェルド)とディック(チェイニー)にだまされた」と(笑

ここで開き直ってワルになれないから大統領にもなれなかった、ともいえるかもしれませんね。まあ本当にいい人はアメリカの大統領なんてできませんがw  

名前はコリンですが、あの星から来たわけではありません(笑 ☆☆☆☆☆。

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39歳独身の歩は突然会社を辞めるが、折しも趣味は映画とギャンブルという父が倒れ、多額の借金が発覚した。ある日、父が雑誌「映友」に歩の文章を投稿したのをきっかけに歩は編集部に採用され、ひょんなことから父の映画ブログをスタートさせることに。“映画の神様”が壊れかけた家族を救う、奇跡の物語。


キネマの神様 (文春文庫)キネマの神様 (文春文庫)
(2011/05/10)
原田 マハ

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このお話は映画をめぐってある男が人生を取り戻すお話です。というか、そう読めました。
主人公のゴウは、これほどに冴え渡る映画評論を書ける人ですから、さぞや知性に溢れた人なのでしょう。それが何かのきっかけでつまづいた。こんなはずじゃなかったのにと思いながら、ギャンブルに癒しを求める、借金がかさむ、さらに色んなものを失う、の繰り返し。自分を省みられる人ですから、どんどん虚しくなっていきます。

ギャンブルにはのめり込まなくとも、人生を虚しく感じている人はたくさんいると思います。
そんな老人が、ブログを通じて本当に心を通い合わせられる友人に出会った。
お互いに老い先短い2人はその出会いをかけがえのないものだと思い、全力でお互いにぶつかりあった。
そして2人は自分の人生を取り戻すのです。この二人のやり取りが実にいい。

そんなきっかけを与えてくれたキネマの神様も、二人のことを温かく見守っていることでしょう。
やっぱり、こういう喪失感を感じている人が何かを取り戻す話って、いいですね。
と言いながら、実は私、「ニューシネマパラダイス」観てません。でも観てなくても十分楽しめるお話でした。
もっと登場人物を減らしても良かったかも。☆☆☆☆。

物置で発掘した緑のビアンキ。その自転車で学校に行った僕は、そのまま授業をさぼって北へと走るが……。「21世紀日本版『オン・ザ・ロード』」(読売新聞)と評された、文藝賞作家の青春小説!

走ル走ル
(2008/03/14)
羽田 圭介

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陸上部の高校生が勢いで八王子から青森まで自転車で行ってしまうお話。

だれかのエッセイで言及されていたので何となく読んでみたのだが、書き出しはややもたつき感があるものの、話が進むに従ってリズム感が出てきて、意外に面白かったというのが率直な感想。

なんとなく不完全燃焼で元の生活に戻っていくところも、高校生から大人に成長しているように見えてよい。実は本作は芥川賞候補になっていたことをさっき知った。☆☆☆。

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秘剣、外に語らず―剣客小説に新境地を開いた名品集“隠し剣”シリーズ八篇。凶々しいばかりに研ぎ澄まされた剣技を秘める主人公たちは、また人としての弱さもあわせ持つ。剣鬼と化し破牢した夫のため捨て身の行動に出る人妻、これに翻弄される男を描く「隠し剣鬼ノ爪」。他に「暗殺剣虎ノ眼」などを収む。

隠し剣孤影抄 (文春文庫)隠し剣孤影抄 (文春文庫)
(2004/06)
藤沢 周平

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隠し剣鬼の爪の原作を含む短編集。秘剣と言っても泥臭く勝つための技もあり、人間臭さがにじみ出る。池波正太郎のニヒリズムとはまた違った角度から人間に光をあてる藤沢流が楽しめる。

私はなかでも、妻が元剣豪の「女人剣さざ波」がお気に入り。
☆☆☆☆。

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この作家のロングセラー“隠し剣”シリーズ第二弾。気難しい読者をこれほど愉しませた時代小説は稀れである。剣の遣い手はさらに多彩に。薄禄の呑んだくれ藩士のくぐもった悲哀を描く「酒乱剣石割り」、醜男にもそれなりの女難ありと語る「女難剣雷切り」など、粋な筆致の中に深い余韻を残す名品九篇を収載。剣客小説の金字塔。

隠し剣秋風抄 (文春文庫)隠し剣秋風抄 (文春文庫)
(2004/06)
藤沢 周平

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武士の一分の原作を含む短編集。不条理感がないので安心して読める。☆☆☆☆。

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