清流とゆたかな木立にかこまれた城下組屋敷。普請組跡とり牧文四郎は剣の修業に余念ない。淡い恋、友情、そして非運と忍苦。苛烈な運命に翻弄されつつ成長してゆく少年藩士の姿を、精気溢れる文章で描きだす待望久しい長篇傑作!

蝉しぐれ (文春文庫)蝉しぐれ (文春文庫)
(1991/07)
藤沢 周平

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剣以外にたいして取り柄のない主人公が、幼馴染の危機を救ったことにより出世する話。幼少時から中年まで丹念に描いていく。

藤沢周平は剣が強い人を主人公に持ってきて、その能力でハッピーエンドにすることが多いが、個人的には「風の果て」のように多少後ろめたい人生の苦味をかみしめるような話の方が好きだなあ。

ストーリーの単純さはともかく、情景の描写の密度はさすがは大御所と唸らされる。ディテールがボロボロの最近の若い作家に爪の垢を煎じて飲ませたい。☆☆☆☆。

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