君には、警察学校を辞めてもらう。この教官に睨まれたら、終わりだ。全部見抜かれる。誰も逃げられない。前代未聞の警察小説!
「爽快な後味の悪さ」と評されるとおり、白髪・隻眼の鬼教官風間は、その磨き上げられた観察眼と教室内の内通者を操って、警察学校生徒たちの警察官としての適正を見抜き、ふるい落としていく。時にはあえて悪事を行うように仕向けてまで、警察官という職業に奉職する覚悟があるのかどうかを見極めていく。
恐ろしかったのは友人を裏切った生徒が中耳炎であることを風間はその友人に漏らし、その耳に蟻を侵入させて鼓膜を食い破らせる、という仕掛けを行うよう誘導したこと。仲間意識を問うているわけではない。裏切った友人に制裁を与えるためにどのような方法を取るのかを試されたのだ。その計略に乗った友人は警察学校を去った。
どのような状況に追い込まれようとも目的を見失わない心の強さを持った人間を探している。そんな風に見えた。これは警察小説だ。刑事小説ではなくて。その意味で非常に貴重だし、警察学校という場に縛られない続編を期待したい。それから巻末についている参考文献「地域警察官のための現行犯人逮捕手続書・緊急逮捕手続書作成の手引き」とか「クローズアップ実務Ⅰ・職務質問」にも興味深々何だが(笑)☆☆☆☆。
教場 (2013/06/19) 長岡 弘樹 商品詳細を見る |
「爽快な後味の悪さ」と評されるとおり、白髪・隻眼の鬼教官風間は、その磨き上げられた観察眼と教室内の内通者を操って、警察学校生徒たちの警察官としての適正を見抜き、ふるい落としていく。時にはあえて悪事を行うように仕向けてまで、警察官という職業に奉職する覚悟があるのかどうかを見極めていく。
恐ろしかったのは友人を裏切った生徒が中耳炎であることを風間はその友人に漏らし、その耳に蟻を侵入させて鼓膜を食い破らせる、という仕掛けを行うよう誘導したこと。仲間意識を問うているわけではない。裏切った友人に制裁を与えるためにどのような方法を取るのかを試されたのだ。その計略に乗った友人は警察学校を去った。
どのような状況に追い込まれようとも目的を見失わない心の強さを持った人間を探している。そんな風に見えた。これは警察小説だ。刑事小説ではなくて。その意味で非常に貴重だし、警察学校という場に縛られない続編を期待したい。それから巻末についている参考文献「地域警察官のための現行犯人逮捕手続書・緊急逮捕手続書作成の手引き」とか「クローズアップ実務Ⅰ・職務質問」にも興味深々何だが(笑)☆☆☆☆。