量は質を凌駕する

 ~ アウトドアと読書の日記

カテゴリ: >英数(ノンフ)

マラソン歴代記録の上位百傑でケニア、エチオピア以外の国の選手はわずか6人しかいない(2012年7月)。話題の「つま先着地」と共に、心肺機能・血液・アキレス腱など科学的に、その強さにアプローチしていく。


42.195kmの科学  マラソン「つま先着地」vs「かかと着地」 (角川oneテーマ21)42.195kmの科学 マラソン「つま先着地」vs「かかと着地」 (角川oneテーマ21)
(2013/02/09)
NHKスペシャル取材班

商品詳細を見る





たまたまマラソン関係の本が続いているが、本書はエチオピアのゲブレシラシエ、ケニアのマカウにスポットを当て、なぜ東アフリカの選手がマラソン界を席巻しているのか、秘密に迫っている。

結論から言えば、生まれ育った環境と身体的特徴からくる高いランニングエコノミーとハングリー精神に尽きるようだ。だとすると、日本人にはなかなかチャンスがないことになるが、元ランナーの指導者たちのなかには未だに「日本の選手は練習量が足らない」と言っている人もいるようだ。

先日読んだ「毎日長い距離を走らなくてもマラソンは速くなる」によれば、月間1000kmを超える走り込みをしているのは日本人だけらしい。そうするとかの指導者は、練習の質のことを言っているのか?

埼玉県庁の川内選手が楽天の瀬古監督の誘いを断ったのは記憶に新しいが、指導者やマスコミはもっと内外の違いを科学的に明らかにして、日本全体の底上げを図るべきではないか。その観点では本書もやや中途半端。まあ目的が違うのかもしれないが。

また、日本の選手がマカウに比べて踵着地であるとかなり強調しているが、本当にそんなに違いがあるならサブ10自体が不可能にならないか。あくまでも傾向としての話だと言ってほしい。☆☆。


いつも読んでいただいてありがとうございます。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村

クリステンセン教授がすべてのビジネスマンに贈る人生のジレンマを乗り越えるための1冊! 本書は『イノベーションのジレンマ』をはじめ、多数の名著を著した技術経営の大家クレイトン・クリステンセンが、これまで自身が教えてきた経営戦略を人生訓に落としこんで語る1冊。2007年に心臓発作、そして2年後にガン(悪性腫瘍)、さらに2010年には脳卒中で倒れたクリステンセン教授。戦略論や経営学の分野では最高峰にある教授が、抗がん剤と戦って髪が抜け落ちた体に鞭打ち、最後の授業で何を伝えたかったのか。本書のもととなった「HOW WILL YOU MEASURE YOUR LIFE?」(HBSに掲載された論文)は、HBS史上最多のダウンロード数を獲得した。 (日本語版より)

How Will You Measure Your Life?How Will You Measure Your Life?
(2012/05/01)
Clayton M. Christensen

商品詳細を見る





「イノベーションのジレンマ」のクリステンセン教授が、人生のイノベーションについて書きました。原書で読んだのですが、邦題は「イノベーション・オブ・ライフ」。ビジネススクールを卒業するときは前途洋々だった学生たちが、何年もたたないうちに結婚生活を破綻させたり、牢獄に入ったりしている。そうならないために、どうやって人生を組み立てていくのか。

例えば、企業が成長していくためには、よいカルチャーを定着させて成功する行動様式を社員に取らせる必要があるが、家庭においてもカルチャーを定着させることにより、子どもたちにはよい行動様式が備わり、自分で考えて行動するようになる。

企業においては世の中が革新的に変化するときは限界利益を最大化させるだけでなく、総コストを圧縮するような行動の変化が求められるが、人生においても限界的な効用を最大化させていたのでは、長期的な視点から見て必ずしも最適にはならない、などなど企業経営になぞらえて個人の人生設計を語っています。

ただ人生で必要なものはこれですべてかというと、クリステンセン教授が企業活動になぞらえることができたことだけがここに記載されているようにも思えます。そういう意味では、教授が経営学の研究の傍らで産み出した人生訓と捉えたほうがいいでしょう。それでも、随所にクリステンセン教授ならではの鋭い洞察や、教授個人の半生について「おっ」と思うようなエピソードも紹介されていますので、お勧めです。☆☆☆☆。

いつも読んでいただいてありがとうございます。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村

↑このページのトップヘ