史上最高のお金持ちはだれか? グローバリゼーションで世界は不平等になったの
か? 現代のアメリカと古代ローマ帝国の所得格差はどれほど違うのか? などなど、
数多くの思い込みを数字で覆し、精確に理解するための必修知識を与えてくれる一
冊。

不平等について―― 経済学と統計が語る26の話不平等について―― 経済学と統計が語る26の話
(2012/11/23)
ブランコ・ミラノヴィッチ

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統計を使って不平等を解説する本だが、統計は主に主要な国の過去の所得を正しく比較するために使われているので、そんなに恐れる必要はない。地域間格差、階級間格差を数字を使って解き明かしていく。

その中で、アジアは地域内の格差が大きすぎて、EUのような連合はまだまだ無理なこと、全世界のジニ係数は80(日本は30、インドで60くらい)というのには驚いた。

グローバリゼーションの正体は、比較優位論では一見正義に見える途上国生産が、実は労働分配率から見れば激しい搾取であるということもよくわかる。安い労働力による利益率の拡大は、現地に多少の雇用を産み出したとしても、やはり搾取としか呼べない。世界が俯瞰できる好著。☆☆☆☆☆。

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