世に大西洋の戦いという、第2次大戦下にアメリカからイギリスに物資を補給する大西洋横断の護衛船団と、その輸送を阻止しようとするドイツの艦艇との戦い。その苛酷さを描写し尽くし、人間の悲惨と偉大を静かに物語る。

非情の海〈上〉非情の海〈上〉
(1992/12)
ニコラス モンサラット

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昨日の晩のブエルタ・エスパーニャ。途中最大斜度30%という恐ろしい坂が登場しましたが、選手たちは何食わぬ顔で走り抜けていきましたね。自分なら多分10mでギブアップです。でも日本にも最大斜度37%(!)という恐ろしい坂道が東大阪にあるらしいです。そこは楽しいのか?! まあ楽しいんでしょうね(笑

これまでなりを潜めていたカンチェラーラがゴールスプリントで久々に映像に顔を出したのも嬉しかったです。この人スイス人で本当に男前です。今年は春先のツールドフランドールという1日のレースで、ゴールまでの最後の20km近くを悠々と独走して勝利したシーンが印象的でした。今回のブエルタでは、直後の世界選手権に向けて途中棄権も噂されていますが、ようやく見せ場を作ってくれました。



さて、今回は第二次大戦中の連合国とドイツ潜水艦隊の戦いを描いた「非情の海」です。

イギリスの小説らしく、あまりクライマックスに向けての盛り上がりとか、大どんでん返しとかがなく、とにかく退屈とも思える日常の描写と緊張感が高まる戦闘シーンの繰り返し。それがゆえに、戦争のむなしさがいっそう際立ちます。

実質主人公の副長は元々は普通の勤め人だったのですが、物語の最初に軍に入り、物語の進行につれて船長していく姿が描かれています。

これって「プライベート・ライアン」でトム・ハンクスが演じた元教師の小隊長みたいですよね。あの隊長も闘いのプロでしたが、こんな感じで育っていったんでしょうか。

戦争は実際にはこんな感じだった、という一冊ではないかと思います。☆☆☆☆。