彼らを「事件」に当面させたとき、私は彼らの血が命ずるままに、ペンをすすめて行くよりほか、仕方がないのである(作者)――江戸・田沼時代。大川のほとりに、孫ほどの年の妻おはると融通無碍に暮す、老剣客・秋山小兵衛、体格も性格も父小兵衛とは対照的な大治郎、男装の武芸者佐々木三冬らが大活躍する、ご存じ〔剣客商売〕の魅力を徹底解剖。経験者も初心者も、大満足間違いなしの一冊。



剣客商売読本 (新潮文庫)剣客商売読本 (新潮文庫)
(2003/09/21)
池波 正太郎

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池波正太郎著となっているが、実際には氏の没後に剣客商売全16巻+番外編のおいしいところを編集者たちがさらえた本。「剣客~」をめぐるテーマ性や料理、登場人物、モデルになった人物、舞台などがあますところなく描かれている。特に小兵衛のモデルとなった中村又五郎のインタビューや写真は、小兵衛のイメージを膨らませる意味でも必見。

また巻末近くに著名人が池波正太郎を語るコーナーがあるが、江夏豊が服役中の話にさらりと触れていたり、司馬遼太郎が同年生まれであるが故の親しいエピソードを語っているのも見逃せない。できれば16巻読む間は手元において適宜参照すべき本。☆☆☆☆。

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